5月号

神戸のカクシボタン 第137回 地あの時の記憶と教訓を振り返る場所「神戸港震災メモリアルパーク」全面リニューアル
今年の3月で50歳になった。「阪神・淡路大震災」の前年に成人式があり、友人と夢を語り合った神戸の街が一年後に姿を変えた。2011年3月11日、私の誕生日。東京の出版社から「復興する神戸」をテーマに編集依頼を受けた。午前中に「神戸港震災メモリアルパーク」を取材。1997年開設、メリケン波止場の岸壁の一部(約60m)を被災したままの状態で保存し当時の状況、教訓、港の重要性を後世に伝えることを目的としたスポットである。元町で昼食後、「神戸新聞社」へ伺い、当時の様子を記者の方にインタビューしている最中に「東日本大震災」が起こった。人生二度目の衝撃だった。しかも不思議なことに忘れることのできない節目に襲ってくる。この日を境に「自身のミッション」として震災に関する記憶を数多くのメディアで発信してきた。あれから30年…今年1月10日(金)、「神戸港震災メモリアルパーク」の展示内容が全面的にリニューアルされた(リニューアルポイントは以下のとおり)。
・ メモリーウォールの新設:
来訪者を引きつける新たな展示パネルを設置
・ 展示パネルの更新:
震災の概要から現在・未来の神戸港まで幅広いテーマを追加
・ 映像施設の改修:
モニターの大型化、映像のパート分け、多言語の字幕表示
・ タイムスコープ(AR技術):
震災前・震災時・現在を比較できるデジタルコンテンツ
・ 多言語対応:
英語・中国語・韓国語に対応
あたり前のように過ごせる日常に感謝し、被災者の方々に祈りを捧げる場所にして欲しい。
■神戸港震災メモリアルパーク
神戸市中央区波止場町2(メリケンパーク内)
岡力(おか りき)
放送作家・コラムニスト・イラストレーター、ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆、番組を企画。日本放送作家協会関西支部事務局長・大阪芸術大学短期大学部客員教授、心斎橋大学・神戸電子専門学校講師。