5月号

小山薫堂プロデュース|テーマ「いのちをつむぐ」|EARTH MART|
【特集】万博の目玉、シグネチャーパビリオン
食を通じて、いのちを考える
パビリオンの見どころ
食の当たり前をリセット
未来の食べ方を考える
私たちのパビリオンは「食を通じて、いのちを考える」をコンセプトにしています。パビリオンでは1人の人間、1つの命が数10年間、命を紡いでいくために、一体どれぐらいの他の命をいただいているのだろうかという、ごくごく当たり前のことを体感していただきます。普段いただく食べ物を通じて、他の「いのち」への感謝が生まれるような仕掛けや展示があります。そこから未来に向けてより良く食べるためのヒントを散りばめ、我々はこれからどういう食べ方をしていけばいいのかを考えていただきたい。また来場した方、すべての方に25年後の梅干しを食べることのできるチケットをプレゼントする予定です。それが25年分の時のタイムカプセルのような装置になったらいいなと思います。
万博への意気込み
『いただきます』の言葉から
ありがたみを改めて感じて、
優しさにつながっていけば
混沌とした今の時代の中で、小さな1つの島に集まった人たちが、同時に「いのち」のことを考えている。それだけでも奇跡的なことだと思います。私はぜひ1人でも多くの子供たちに来場していただき、「いのち」のことを色々な視点から考え、何か新しいことに気づく、ここがそういう場所になればいいなと考えています。「いのち」のことを突き詰めていくと、そこに感謝の気持ちが生まれます。その感謝の気持ちは、人への優しさにつながります。今の時代、一番必要なのは、他者をおもんばかる心、人に感謝する気持ちです。そういうものを、この万博から1人でも多くの人に持ち帰っていただき、行動変容につながったらいいなと考えています。
ここがPOINT
食べ物への見方が変わる
改めて見る食の色、食のいのちの重さ、日本の食文化など、普段は意識しなかったことを再認識することで、食の価値を再定義。

日本人が食べる主要食材の写真を瓶に詰めてショーウインドウに
25年後のお楽しみまで!
万博に訪れた当日だけでなく、25年後の未来まで続く楽しい仕掛けを用意。2025年の思い出を誰と共有したいですか?

梅干し「万博漬け」をつくり、25年後に実食。
写真は梅干しの25年後引換チケット
"空想のスーパーマーケット"を巡るような感覚で、来場者と共に「新しい食べ方」を描く。館内は「いのちのフロア」と「未来のフロア」の2つのセクションで構成。環境問題や健康など食の課題と向き合いながら、日本人が育んできた食文化の可能性とテクノロジーによる食の進化を展示し、食の未来を考えるきっかけを促す。「生きるとは、食べるということ」という考えから、食の「当たり前」をリセットし、限られた資源の中で世界中の人々と「食を共にすること」の喜び、尊さを共有。館を出る頃には皆、『いただきます!』という言葉に、より感謝を込めるように!

隈研吾氏の設計。全国から集めた茅を使用し、かつて里山の暮らしにあった暮らしの循環を表現。小さな屋根を集積させ、市場のように繁栄と賑わいを演出
いのちのフロア
食がいのちであることを
見つめ直す
地球環境や飢餓問題に向き合いつつ、野菜、魚、肉、卵など、私たちが日々食べている「いのち」について、改めてニュートラルに見直すコーナー。
野菜のいのち
長崎市雲仙市の農家の一年の営みを通して、野菜の花や実、葉、根の一生を紹介
いちばん食べられる魚
地球で一番食べられている「イワシ(鰯)」は地球で一番多くのいのちを支えている
いのちのカート
見上げるほど超巨大!日本人が食べる約10年分の食材が入るカート
いのちのはかり
食品サンプルを秤に載せると、なぞの数字が出現するクイズが表示される
一生分のたまご
日本人ひとりが一生をかけて食べる量といわれる
約2万8000個の卵の模型で作ったシャンデリア
世界のレシート
世界に実在する一週間分の家族の食糧。
データからでは読み取れない暮らしが
見えてくる
未来のフロア
新しい食べ方のヒントに出会う
日本が培ってきた食材や発酵文化、加工技術など、日本の知恵や伝統、テクノロジーを展示しながら、未来に残したい日本の食を探るコーナー。
未来を見つめる鮨屋
目の前で握っているようなサプライズ展示!未来の魚を握る二郎さんの想いとは?
EARTH FOODS 25
味噌や漬物などの伝統食材から豆乳や米粉といった再注目素材まで、未来に伝えたい日本の食材25品を厳選
UMEBOSHI 〜BANPAKU-ZUKE〜2025→2050
和歌山産梅を用い、パビリオン内で漬ける「万博漬け」。来場者には25年後に試食できるチケットを配布。想いを25年後に託す絵馬型カードも共に保管

樽がタイムカプセルに!!(画像はイメージ)
小山薫堂氏
放送作家、京都芸術大学副学長
パビリオン公式サイト
https://expo2025earthmart.jp/
※写真は開幕に先行したメディア向け内覧会に撮影したもので、実際の建物の形状などが異なる場合がございます