7月号

ひょうご神戸まちかど学だより|身近な社会や話題の歴史を学び考える|宝塚市民カレッジ「風土と文化の歴史」コース
宝塚市立公民館では本年度も宝塚市民カレッジがスタートしたが、中でも人気の「風土と文化の歴史」コースでは兵庫・神戸のヒストリアンこと田辺眞人先生が講師を務めている。

「風土」の意味について語る田辺眞人先生
これはもともと日本の歴史を通しで学ぶ機会として1994年に企画され、阪神・淡路大震災が発生し実施が半年遅れ、久家恵一さんの尽力により西公民館で1995年秋にようやく実現、宝塚市の公民館ではじめての夜開催の講座となった。その後、午後に東公民館でも開講、12年続いて2007年に一度は終了したものの、再開を求める声に応えて2009年に復活、現在に至っているが、その間のべ5万1千人もの受講者が学んでいる。

会場は宝塚市立中央公民館ホール
2025年度の初回は、太平洋戦争終結から80年の節目ということもあり「大空襲80年を考える 阪神地域の災害と生活史(1)」と題してスタート。まずはコースのタイトルにある「風土」と「文化」というワードを解説した。「風土」については姫路出身の哲学者、和辻哲郎との深い関わりを紹介、ひょうご郷土の先人にゆかりがある言葉ということで、会場を埋め尽くす受講者たちも興味深く耳を傾けていた。そして「文化」については江戸時代の元号や、明治初年の官報の文章化や書類化という意味の「文化」という言葉が出現した後、程なくして英語の「culture」の訳語として新たに造語されたという単語としての変遷を解説。その上で「culture」とは本来「人間が創り上げた全ての物事」を意味し、良いことも悪いことも含むものだが、日本の学校教育では「学芸」と「文化」を混同していると指摘した。
ゆえに戦争も「文化」の1つであるという。本格的大空襲がはじまったのは「昭和19年7月7日のサイパン陥落以降、爆撃機が日帰りで往復可能になってからのことです」と田辺先生。神戸では1945年の2月4日に106機のB29が飛来、川崎や三菱の造船所を標的として非戦闘員を攻撃しないようにしていたという。しかし、戦争が長引いたことから無差別に都市を攻撃するようになり、同年3月17にB29が60機で神戸を襲い、兵庫運河に架かる大輪田橋では熱風で500人もの人が犠牲になった惨劇について語ったところでお時間、続きは次回となった。

多くの受講者が熱心に聴講
なお、本年度の宝塚市民カレッジは田辺先生以外にも講談師の旭堂南海さん、元ラジオ関西アナウンサーの三浦紘朗さんほか充実の講師陣で、田辺先生の奥様、田辺ゆかりさんの英会話のコースは震災前年から31年間続いている。一部コースは先着順で二次募集を実施中。詳しくは宝塚市立公民館まで。

「英語を身近に楽しもう」コースの講師、田辺ゆかりさん
宝塚市立公民館事業担当
TEL.0797-69-6831
(平日9~17時)
椎名誠監督作品の映画上演と講演会
映画「うみ・そら・さんごのいいつたえ」海への限りない愛を描く風景と冒険の物語
講演 「椎名誠さんと私 十五少年漂流記をめぐって」
兵庫津ミュージアム名誉館長 田辺眞人
会 場 兵庫津ミュージアム(神戸市兵庫区中之島2-2-1)
日 時 7月27日(日)・8月30日(土)両日とも
第1部 12:00~上映会・14:20~講演会 第2部 14:20~講演会・15:40~上映会
参加費 700円(高校生以下無料)
事前申込要(氏名、希望日・部、人数、住所、電話番号を明記の上
FAX/078-651-1869まで)で、各回定員70名・先着順
問合せ TEL/078-651-1868/主 催 兵庫津ミュージアム 共 催 エキストラ珈琲
歴史家 田辺眞人のミニレクチャー
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