2025年
7月号
7月号

複数の器を並べると、自然の風景を再現できる
自然と文化を繋ぐ丹波焼の新しい息吹 | 丹波焼×TDRI | ひょうご国×台湾
山野の積み木-蘭花と苔の美を宿す丹波焼の器
山野の自然を表現する鉢作りで知られる丹波焼の「伝市窯」が協力し、台湾の著名フローリスト「CN Flower」の凌宗湧さんがデザイン。丹波焼の伝統技法と台湾「彰化」の蘭文化を融合した器皿を作り上げた。「無穴式排水層」を採用することで排水と保湿を最適化。サイズは4種あり、積み木のように組み合わせて、蘭の成長に応じた植栽が可能。

複数の器を並べると、自然の風景を再現できる

蘭は通気性と排水性を好み、苔は湿度を必要とするため、器皿には「無穴式排水層」を採用。排水と保湿のバランスを最適化し、蘭の根の健康と苔の湿度維持を両立

組み合わせも自由自在

組み合わせも自由自在
伝市窯×CN Flower

CN Flower 凌宗湧さん
緑を宿す陶板- ビカクシダのための丹波焼植生板
台湾で人気のビカクシダの栽培を楽しむ提案として、丹波焼の「伝市窯」と台湾の名高いナーセリー(花や苗木の販売業者)「晴花鹿苑」が共創。「晴花鹿苑」植物職人の王音筑さんの監修により、「伝市窯」の陶芸職人が植生板のサイズや機能を細かく調整。水やり後の排水を考慮したシンプルなデザインで、外側には滑り止め彫刻を施し、機能性と芸術性を兼ね備えた丹波焼の植生板が完成した。

丹波焼の技法と台湾のビカクシダ美学を融合した陶製の植生板

日光や水に強い陶器素材に滑り止め彫刻を施して。植物が原生の姿を映し出すような設計に仕上げた
SDGsへの配慮も
丹波焼は欠けたり、壊れたりしても金継ぎで修復可能。大阪・関西万博での展示を考慮し、SDGs精神に呼応した「金継ぎ版」も制作。
丹波焼は欠けたり、壊れたりしても金継ぎで修復可能。大阪・関西万博での展示を考慮し、SDGs精神に呼応した「金継ぎ版」も制作。

伝市窯×晴花鹿苑

晴花鹿苑 王音筑さん
About 伝市窯
山野草専門の鉢を日本で初めて作った窯元。以来60年、植物に最適な植木鉢を専門に作陶。陶器の特性を活かしつつ、草花の根が腐りにくく美しく育つよう、底穴を大きくするなど通気性や水捌けに独自の工夫を施している。

市野弘通さん