05.22

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ムロツヨシ舞台『muro式.トイ』
俳優 ムロツヨシさん
夢を追いかけている最中です。
muro式.とは、ムロツヨシが企画する演劇プロジェクト。
“やりたいことをやる”をコンセプトに、俳優、監督、脚本もムロが担う。ムロの好きなものを詰め込んだシリーズは、2008年にスタートしたが、内容はあまり明かされていない。ムロの想いとは?
Q.初演は2008年です。はじまりは?
A.32歳のとき「役者で食べていこう」と決めたけれど仕事がなかったんです。でも、仕事として選んだからには演じる自分を見てほしくて始めました。
Q.もうお忙しくなったのでは?
A.muro式.は別です。僕が演劇をやる意味は「わからない」から。なぜやっているのか、という自分への問いでもあります。舞台で表現することが僕のライフワークですが、本心を言うと、舞台は怖い場所です。
表現をすること、表現をし続けることが僕の夢でしたので、今も夢を追いかけている最中です。
Q.夢の原点は?
A.表現欲があるのだと思います。
みんなが声を出して笑える時間を作りたい。初めて演劇を観た人も、100回目の人も、同時に笑える喜劇を作りたいと思っています。
Q.内容はほとんど明かしていませんね。
A.先入観をあまり与えたくないんです。説明してしまうと、難しいのかなとか考えてしまうと思うんです。それよりは、ムロが何かやるらしい、笑えるらしい、というふうに、何かわからずに来てもらいたい。マニアック過ぎず、わかりやす過ぎず、全力でお返しします。
Q.パンフレットもお名前だけ…。
A.肩書きはなくしました。伝えたいのは「みんなで作っています」ということなので。表に出る役者だけでなく、ほかにもこんなにたくさんいるよ、と。全体会議も全員参加です。誰が何をやっているのか、どこで何が動いているか、自分が知っておきたいんです。
役者としてパフォーマンスを続けていくためにどうしたらいいのかを考えたとき、僕はプレイヤーだけやっていては続かないなと。ものづくりをしたいと思いました。まわりの仕事を知ることで、どう見えているのか、どう頼ったらいいのか、見えてくるものが違ってきています。
Q.長年共演している本多力さんはどんな方ですか。
A.彼は受け皿の大きな役者です。リアクション、ワードセンスの良さ、彼にしかない個性があって嫉妬するくらい。muro式.は本多さんだな、と思っています。
大西礼芳さんはコメディエンヌの才能がある方です。絵やデザインもできるので、今回はタイトルロゴを作ってもらいました。稽古以外にお任せしている仕事量がすごい。
Q.ところで「トイ」とは?
A.数学が好きなので、舞台という感情的な世界に真逆のタイトルをつけました。これも、僕の“好きなもの”ですね。
―これまでのタイトルも「答え」「シキ」「グラフ」など、ムロの“好き”が並んでいた。今年はどんな「トイ」で笑わせてくれるだろう。
text.田中奈都子
『muro式.トイ』
大阪公演
2025年5月25日(日)~6月1日(日)
会場:森ノ宮ピロティーホール
Muro式.公式サイト
https://ash-a.co.jp/muroshiki2025/toi.html