12月号
ひょうご神戸まちかど学だより
田辺眞人先生と行くポートピアホテル・バスツアー第6弾で
神戸の〝知る人ぞ知る〟歴史スポットへ
秋晴れの11月12日、神戸・兵庫のヒストリアンこと田辺眞人先生と行く日帰りバスツアーが神戸ポートピアホテルの主催で催行され40名が参加し、東灘区・灘区・北区をめぐった。
これは神戸やその近郊にありながら普段訪れることのない史跡をめぐり、身近なまちかどに歴史が息づいていることを実感してもらおうという企画で、まずは阪急御影駅北出口の駅前広場へ。日常感あふれる場所だが、地形や地名を読み解く田辺先生の解説で南北朝期に築かれた御影城の存在が浮かび上がってきたからあら不思議。
続いて石屋川トンネル跡へ。大阪~神戸間の鉄道はちょうど150年前の1874年に開業したが、石屋川は天井川ゆえ急勾配となり当時の機関車の性能ではこれを越すことができずに、日本初の鉄道トンネルでくぐり抜けたと田辺先生。その後、処女塚古墳では莵原処女の伝説とその解釈や新田義貞の逸話、敏馬神社では『万葉集』や『摂津国風土記』の描写などについて興味深いお話が。
一度ポートピアホテルに戻り、日本料理「神戸 たむら」でちょっぴり贅沢なランチに舌鼓を打った後は六甲山の北側へ。満席の大型バスの中では田辺先生が目的地の丹生山田の歴史を紹介。奈良時代にこの郷から都に出て右大臣の娘、白滝姫を射止めた山田真勝の伝承を語り、「梅雨になると姫の墓の前に清水が湧き、そこに栗の花びらが散ったので、真勝の一族の姓は〝栗花落〟と書いて〝つゆ〟と読むのですが、実はその末裔の方が今日、参加しています!」と紹介すると車内が沸いた。
程なく聖徳太子ゆかりの古刹、無動寺に到着。久保泰明住職が由緒や国指定重要文化財の5体の仏像などについて紹介したあとに奥殿を拝観、ご本尊の丈六大日如来座像は圧巻で、「わざわざ京都まで行かずともこんなに素晴らしい仏像に出会えるとは」という感想も。
最後はこちらも国指定重要文化財の箱木千年家へ。千年は大げさだが、母屋は室町時代に建てられたと比定される日本最古の民家だ。柱の角の面取りやちょうな仕上げの床板などの特徴を学びながら、一行はしばしタイムスリップを愉しんだ。次回のツアーは来年3月27日開催予定。
シンポジウム「震災の教訓を明日へつなぐ」
12月17日(火)18:00(開場17:30) ピフレホール(新長田駅南側すぐ)
参加費500円 定員300名(申込先着順)
問合せ 阪神・淡路大震災長田復興コンサート実行委員会(担当:実松)
090-3168-9765
講演「歴史に学ぶ減災の知恵~地域の震災の記録から」
兵庫津ミュージアム名誉館長・園田女子大学名誉教授 田辺眞人
ピアノ演奏 ピアニスト・神戸女学院大学非常勤講師 坂本恵子
鼎談と合唱 「しあわせ運べるように」作詞作曲者・神戸親和大学准教授 臼井真