07.23
WEB版 エンタメ情報|「稲川淳二の怪談ナイト」がスタート!
稲川淳二さん
おじいちゃんの怖い話、
今年も始まるよ!
稲川淳二の全国ツアー「怪談ナイト」が始まった。夏の風物詩となった公演は、今年で33年目。休むことなく年々増え続け、今年は39会場で52公演を予定。関西は大阪市(8/21~24)、奈良市(9/20)、姫路市(9/21)で開催される。ツアー終了は11月。稲川さんの“夏”はどんどん長くなっている。今年はどんな怖い話を聞かせてくれるだろうか。
Q.今年も始まりますね。
今回のツアー中に78歳になります。もうすっかりおじいちゃんになりましたけれど、怪談を話すにはちょうどいい年齢になったと思います。
おじいちゃん、おばあちゃんの怖い話って、子どもの頃はおっかなく感じてたけど、大人になって思い出してみると、そんなに怖くもないんですよね。おじいちゃんが話すからおっかない。話が上手いとかそういうことでもないし、若くてもダメなんです。
私の怪談を聞いた子が、「昔、夏になると稲川淳二っていうおじいちゃんが来ておっかない話をしてたな」なんて、いつか思い出してくれたら…。そういうのがいいですね。1日1日を無駄にしたくない、今年もファンの皆さんと過ごす時間を大切にしたいです。
Q.“怖い話”はどのように作っているのですか。
同じ話を繰り返したくはないので、毎年、数ヶ月、工房にこもって、新しい話を作っています。
人から聞いた話を“話の破片”って呼んでるんですけど、私はその破片をつなぎ合わせて、ひとつの話を作るんです。破片は、5年前だったり10年前の話だったりするんですが。それらは破片でしかなくて、私の脳内にいくつも、何十年分も入っているんです。でも不思議なもので、それらがつながっていくんですよ。
Q.新しい話。少し聞かせてください。
ひとつは、40年くらい前におじいさんから聞いた話をしようと思っています。私も当時のおじいさんと同じくらいの年齢になりましたからね。これはちょっとチャレンジなんですけれど、話をするおじいさんを“演じる”ようなことになるかな。
「そういえば、あの話、どうなったのかな」なんて、何年か後にふと思い出せるような話になるといいですね。
Q.今年のテーマは?
そうですねぇ。一昨年は「事件」でした。昨年は「ロマン」がありました。今年は夜に移っていく空の色、藍色のような日本の風景…。「情緒」ですね。風情のある艶のある話ができたらいいなと思っています。
Q.怪談は変わらず人気です。どんなところが魅力なのでしょう。
怪談っておもしろいんですよね。人の「情」を感じます。そこがホラーとの違いだと思っています。「情」があるから、人と人をつなぐんですよ。怪談を聞いていたら、みんなひとつになるんです。ジェットコースターと同じ。始まる前は他人なのに、終わると「怖かったね~」って。気持ちはひとつ。そういうところはいいですよねぇ。余韻があるんです。
ファン同士がつながって怪談話のグループができたりしているんですよ。ファンの人たちがそんな報告をしてくれるんです。本当にうれしいですねぇ。
Q.関西のファンにひとことお願いします。
関西は昔から、文化を広げる土地だと思っています。私の怖い話は、関西から始まり、広がったので、感謝の気持ちが大きいです。昔、「恐怖の百物語」というテレビ番組でお世話になっていて、だいぶ盛り上げてもらいました。
大阪には毎年、「ただいま!」という気持ちで来ています。今年も「ただいま!」と元気に帰って来たいと思っています。
photo.山内城司
text.田中奈都子

公演情報
「稲川淳二の怪談ナイト」
大阪公演
日時:2025年8月21日(木)~24(日)
会場:森ノ宮ピロティホール
奈良公演
日時:2025年9月20日(土)
会場:なら100年会館 大ホール
兵庫公演
日時:2025年9月21日(日)
会場:アクリエひめじ 中ホール












