1月号
Power of music(音楽の力) 第1回
ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン
『エリーゼのために』
上松 明代
神戸といえばジャズ!というのが世間に浸透した音楽シーンから見た街、神戸。しかしここではあえて「クラシック音楽」を面白く、そして興味深く紹介していきたいと思います。勿論、クラシック音楽だけというわけではなく、広い見聞から音楽をアプローチしてゆく次第です。この連載のタイトル『Power of music』ですが、「音楽には感情を揺さぶる力があるよ」ということを、熱弁を振るい!発信出来ればいいなという想いをこめてつけたタイトル。毎号読んで頂けると幸いです。
さて第1回目の音楽の力。ドイツ出身の作曲家、ベートーベンのピアノ曲『エリーゼのために』。彼が40歳の時に書いた曲。この曲の背景とは?
ベートーベンは、エリーゼという身分違いの貴族の娘に恋をし、互いに惹かれ合い愛し合うようになる。しかし当時の身分の相違は致命的で、結ばれることはなかった。
『エリーゼのために』には3つのエピソードが聴こえる。憂い、喜び、怒り。これは結ばれることのないエリーゼを想い、二人で過ごした甘い想い出や悲しみを噛み締めながら作曲したからではないだろうか。そんな彼の心情を自らに投影し聴くことにより、感情を揺さぶられてみてはいかがでしょう。また昔ピアノを習っていたが今はご無沙汰という方は2016年、また新たな気持ちでピアノを練習されてはいかがですか?ベートーベンのエリーゼを想う愛を感じながら。
うえまつ・あきよ(フルート奏者・作曲家)
武蔵野音楽大学卒業。在学中にハンガリーの「音楽」と「民族」に魅了され、卒業後ハンガリー国立リスト音楽院へ留学。31歳で知的好奇心から兵庫教育大学大学院で作曲を学ぶ。演奏活動と同時にバイタリティー溢れる作曲活動も展開中。六甲在住。音楽に対する想いは烈火の如く!
オフィシャルサイトhttp://akiyouematsu.com