11月号
国際都市神戸にふさわしい環境
神戸市立神戸生田中学校
校長 安東 晃一 さん
平成2年、生田中学校と神戸中学校がひとつになり、神戸市内初の統合校として神戸生田中学校が誕生した。平成4年に新校舎が完成。神戸の中心に位置することで、外国籍や外国にルーツをもつ生徒も多く、国際色豊かな環境の中で授業を行っている。
平成4年に新校舎が完成したこの場所は、すぐ北側に県公館、県庁や銀行などのオフィス街、三宮・元町などの商店街、異人館のある北野町にも隣接し、神戸の中心に位置します。設計段階から、趣と歴史のある県公館にマッチするよう色合いや屋根のつくりなどを考慮したそうで、同じ設備ではないかと思うほど違和感なく風景に溶け込んでいます。内部は、吹き抜けの玄関ロビーに市花あじさいをモチーフにした大きなステンドグラス、南京町の獅子舞をデザインした有田焼400枚の壁画を飾るなど、国際都市神戸にふさわしい雰囲気です。
本校には外国籍の生徒や外国にルーツを持つ生徒が多く在籍し、生徒たちは一緒に学び、遊び、ごく自然に国際感覚を身につけています。平成15年には、日本語を母語としない中学生対象の日本語教室「JSL教室」が開設され、本校だけでなく通学可能な範囲で市内の中学生が毎日放課後に学んでいます。
私は本年4月から校長として赴任しましたが、生徒たちが落ち着いて学習や部活動に取り組んでいる様子を見てとても嬉しく思っています。ちょっと大人を遠ざけるような年齢ですが、人懐っこく素直で、子どもらしい生徒たちです。秋は体育会、合唱コンクール、文化祭と行事が続き、一生懸命に取り組む様子を見て「互いに高めあう学習集団」という本校の教育努力目標が達成できていると実感しました。
平成24年から始まった家庭・地域・学校・神戸市が一体となり地域ぐるみで小中学生を健やかに育てていく「神戸っ子応援団」では、山の手小・こうべ小、神戸生田中の頭文字を取って「YKK応援団」と名づけ、あいさつ運動、登下校見守り、環境整備などに取り組んでいます。地域の皆さんにはトライやるウィークでお世話になり、また声をかけていただき、神社や商店街、地域コミュニティーのお祭りやイベントに積極的に参加しています。神戸生田中学校は、一歩外に出ると社会を身近に感じる学校です。卒業後は地域、さらに国をリードする役割を担う存在に育ってほしいと願っています。
安東 晃一(あんどう こういち)
神戸市立神戸生田中学校 校長
昭和36年、大阪府生まれ。神戸市外国語大学 英米学科を卒業後、神戸市立山田中学校、高取台中学校、長田中学校、垂水東中学校の教諭を経て、平成21年より星和台中学校教頭。平成24年より神戸市教育委員会 事務局指導課 指導主事。平成27年より神戸生田中学校校長に就任