2015年
11月号
村山龍平の多岐にわたる古美術コレクションを収蔵

村山龍平が後世に遺そうとした古美術 香雪美術館

カテゴリ:文化・芸術・音楽

 明治12年(1879)、村山龍平(- りょうへい)は上野理一とともに朝日新聞を創刊、以降も発展に寄与し、日本を代表する新聞に育てあげた。一方で村山は、岡倉天心らが参加した古美術研究雑誌『国華』の発行を援助するなど美術にも深い関心を寄せ、自身も日本・東洋の古美術を多く蒐集した。
 香雪美術館は村山が蒐集した美術品を収蔵する美術館として昭和48年(1973)に開館。「香雪」とは、村山の号である。所蔵品は絵画、書、仏教美術、茶道具、武具など幅広いジャンルにわたり、重要文化財が18点含まれる。
 村山が求めた美術品は、何よりも「後世に遺す意義を第一に選ぶ」という考えであったという。村山は伊勢・玉城町の、由緒ある武家の出身。家業を処分したのち大阪で貿易商として成功し、現在美術館のある御影の地に邸宅を構えた。当時の実業家たちの屋敷には必ず茶室が造られ、海外の客人をもてなしたり、財界の仲間と茶の湯の席で、古美術を鑑賞したりした。藪内流の茶を学んだ村山は、のちに茶の湯の会を発足させるまでに茶を愛し、そんな彼が蒐集した茶道具の中には名品、珍品が多い。
 収蔵品は春と秋のコレクション展で公開されるほか、美術館では優れた日本美術を紹介する「企画展」を開催し、美術文化の向上に貢献している。

「竹の美 茶道具を中心に」
●会期 10月31日(土)~12月23日(水祝)
※作品保護のため、一部展示替えを行います
●休館 11月18日(水) 
竹は古来より身近でなじみ深い植物です。四季を通じて真っ直ぐに育つことから吉祥の象徴として画題に取り上げられてきました。竹を使用して作られた作品を、茶道具を中心に紹介します。

<梅園会(講演会と茶会)>
12月5日(土)講演13:00~
茶会15:00~
講演「意外と楽しい文人画」河野元昭
(京都美術工芸大学学長)
定員50名(応募多数の場合は抽選)
参加費 3,000円
往復はがきにて事前申し込み制
●締め切り11月6日(金)必着

<ギャラリートーク:作品解説>
会期中の毎週土曜日、午後2時から学芸員によるギャラリートークを行います。
※ギャラリートークの聴講は無料ですが、別途展覧会の鑑賞券が必要です。

緑に抱かれた美しい庭園を誇る「香雪美術館」


立礼茶室「梅園」。村山は茶の湯を愛した


村山龍平の多岐にわたる古美術コレクションを収蔵


朝日新聞を創刊した村山龍平


《唐物 利休丸壺 茶入》南宋時代 重要美術品 ※今展では展示していません


《千利休 籠花入 銘「桂川」》桃山時代
利休が鮎漁の魚籠を掛花入とし、のちの赤穂浪士討ち入り事件にもゆかりがあるという言い伝えのある品


《青磁 筝 花入》南宋時代


青木木米《群仙図 四方鉢》江戸時代


柳沢淇園《雪竹鵯図》江戸時代


香雪美術館

神戸市東灘区御影郡家2-12-1
TEL.078-841-0652
■開館 10:00~17:00(入館は16:30まで)
■休館 会期中無休 (展示替休あり)
■料金 大人700円 高大生450円
    中学生以下無料 (各団体料金あり)
      ※特別展につきましては、別途料金を定めます
■HP  http://www.kosetsu-museum.or.jp/

〈2015年11月号〉
神戸の粋な店 伊藤グリル
ALL NEW JAGUAR XF
特集 ー扉 阪神間モダニズムと住まい
日本の生活を大きく変えたマイルストーン
阪神間モダニズムを育んだ3つの川 夙川、芦屋川、住吉川
茅渟の海を望む地 山芦屋の歴史と価値
山芦屋は「建築博物館」
山芦屋に佇む、村野藤吾の名建築 中山悦治邸
緑あふれる住宅地 夙川の起点となった香櫨園
ネオ・ゴシック様式の聖堂 カトリック夙川教会
随所に施された何気ない「上質」 旧山本家住宅
生活をアートに変えるエスプリ 浦太郎邸
「日本一の長者村」 財界人たちが邸宅を構えた住吉村
阪神間モダニズム邸宅の傑作 旧乾邸
阪神間モダニズムの一角を 形成した〝住吉〟
日本経済を動かした、地域コミュニティ「観音林倶楽部」
日本の発展に尽くした実業家 平生釟三郎
「阪神間モダニズム」ゆかりの美術館をめぐる ―扉―
大谷竹次郎の邸宅庭園と美術コレクションを公開 西宮市大谷記念美術館
文豪の世界と地域文化を継承する 芦屋市谷崎潤一郎記念館
安井武雄の建築思想が息づく私邸跡 公益財団法人山口文化会館 滴翠美術館
俳人・高浜虚子の作品と出会う 虚子記念文学館
国宝・重要文化財を含む貴重なコレクション 白鶴美術館
村山龍平が後世に遺そうとした古美術 香雪美術館
女流画家の夢がつまった小さな美術館 世良美術館
秋の神戸観光 半日で行って帰れる 紅葉スポット!「神戸市立須磨離宮公園」
秋の神戸観光 世界の森の紅葉を楽しもう 「神戸市立森林植物園」
秋の神戸観光 高山ならではの紅葉の美しさ 六甲高山植物園 他
街全体が歴史によって刻まれた 建築・住居学の実物大教科書
国際都市神戸にふさわしい環境
地域の人たちの温かさと 豊かな自然に囲まれて
国際ロータリー第2680地区 神戸西ロータリークラブ 心の「四季節」便り
連載コラム 「第二のプレイボール」Vol.9
兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第五十五回
神戸のカクシボタン 第二十三回
草葉達也の神戸物語
神戸鉄人伝(こうべくろがねびとでん) 第71回
第二十一回 兵庫ゆかりの伝説浮世絵
触媒のうた 57
有馬歳時記 有馬 “ニューオープン” へてから 有馬温泉店