6月号
Power of music(音楽の力) 第18回
音楽と色
『音楽に色を感じる?』
上松 明代
「神戸」という街を色で表現すると何色になるだろう。人それぞれ思い描く色があるはず。私の場合は「スカイブルー」。住んでいる場所が六甲なので、自宅からの展望が海と広い空だからかもしれない。同様に、「音楽」を色で表現出来るだろうか。
20世紀に活躍したフランス人作曲家、オリヴィエ・メシアンは、音を聴くと色や模様を連想する鋭い共感覚を持ち、「音楽を通して色を伝達できる」と説いた。では実際に連想、表現してみよう。
個人差はあるだろうが、一般的なイメージだと、高い音は薄く明るい(例えばフルート)、低い音は濃く暗い(チェロ)。他に、環境音楽は緑や青、ラテン音楽はオレンジ、雅楽は鶯色や芥子色、ホラー音楽は当然、黒、ジャズは何色だろう。紺?
無意識かもしれないが、私達は音楽と色を使い、心身をコントロールしている。色にはそれぞれ力があり、カラー心理学なるものが存在する。またそれを取り入れている企業も多数。【赤】は、力が漲りアドレナリンを分泌し興奮を促す色で、音楽に例えると、朝の通勤・通学時(私の場合、演奏会の楽屋で)、テンションを上げるためにアップテンポの曲を聴きたくなる。【青】は、気分を落ち着かせ創造力を高める色。就寝前に心安らぐ音楽が聴きたいなど、行動と感情が音楽や色にリンクしていることに気づく。
視覚化出来ない「音」や「音楽」を色で表現するという違った角度からのアプローチもなかなか楽しいものである。この観点から考えると、救急車やパトカー、消防車のサイレンの音は最強の「音色」(「音」と「色」)マネージメントではないか!!
少々余談だが、某化粧品会社独自のネイルカラーとそれに伴う名前がとても素敵。「バレリーナ」「モノクローム」「カルメン」「ギャルソンヌ」。曲タイトルに置き換えても使えそうな想像力を掻き立てるネーミングと色。女性の心をくすぐる。そして私は色から音楽を拾い上げ、日夜作曲する。
上松明代(フルート奏者・作曲家)
武蔵野音楽大学卒業。演奏活動と同時にバイタリティー溢れる作曲やショートムービー制作も展開。六甲在住。趣味は読書と銭湯と現代アート享受。YouTubeにてオリジナル曲公開中。音楽に対する想いは烈火の如く!オフィス Tempo.F 代表。
オフィシャルサイト http://akiyouematsu.com