3月号
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神戸の粋な店 Vol.12 煮あくつ
やさしい料理を食べたい時に、
一番に思い浮かぶお店
身体にやさしい料理を食べたい時に、一番に思い浮かぶのが、「煮あくつ」さんだ。まずは、旬の魚をいただき、次に季節のおでんへ。
評判のおでんは、鰹の出汁で下ごしらえし、鶏出汁で仕上げる。定番の海老パン、大根、冷たいトマトにはじまり、月替わりで旬の10品がラインナップ。蛤の滋味を白身魚のすり身と合わせた自家製の蛤真薯など、よくもそこまで手間暇掛けてと思うが、「至って当たり前のことをしているだけですよ」とご主人の圷幸夫さんは涼しく笑う。弥生の風はまだ冷たいが、絶妙な味わいと心意気に身も心も温まる。
看板には「煮」の一文字が刻まれる。日本料理の世界では、煮物を手がける煮方は地位が高いが、それもそのはず、素材選び、下ごしらえ、火の入れ方、味付け、盛り付けすべてに技術が必要で、知識・経験・センスすべてが問われる。ご主人も煮方で腕を磨いた料理人。東京で研鑽を積み、縁あって16年前、この店をオープンしたとか。
野生の真鴨、神戸牛など吟味した素材に頼りすぎることなく、「大切なのは味のバランス」と〝真剣勝負〟で味覚の境地を切り拓く。
また、全国から選りすぐった日本酒や焼酎3銘柄をテイスティングをさせてくれる粋な計らいも気に入っている。職人肌のご主人を支える奥様のやさしい笑顔を見るとホッとする。
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蕗の薹、独活、うるいなど春の山菜を出汁をベースに炒め、中トロで巻いて食べる。
辛子と奥出雲の山椒〝はじかみ〟がアクセント(4,500円)
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「日本酒、焼酎をテイスティングさせてくれる心遣いも嬉しい」と阿部さん
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9つの鍋を自在に操る店主の圷幸夫さんとの会話も楽しい
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カウンターが中心の粋な空間。夫婦二人で切り盛りする小さなお店で〝できたて〟をご賞味あれ
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筍と牛肉の有馬煮は、サッと出汁で煮た長崎和牛と、しっかり煮て味を染み込ませた国産の筍に、有馬山椒の薫りをまとわせて(3,500円)
■煮あくつ
神戸市中央区中山手通1-27-6
ブランドールハンター坂B1F
TEL.078-242-8304
17時~24時(22時30分LO)
水曜定休
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