2017年
3月号

Power of music(音楽の力) 第15回

カテゴリ:文化・芸術・音楽, 文化人

天才女流ピアニスト
『クララ・シューマン』

上松 明代

 「一億総活躍社会」「女性が輝く日本!」と叫ばれている昨今、それは個人の自由で大きなお世話と思うが、やはり輝ける場所があることは素敵なことですね。それがどこであろうとも。
 18世紀に活躍したアマデウス・モーツァルトの姉、マリア・アンナ・モーツァルト(通称ナンネル)をご存知だろうか。ナンネルは弟と同様、父親に音楽の手解きを受け、また神童であった。それ故、弟のように作曲家になることを夢見ていたが、時代が彼女を許さなかった。 時は流れ19世紀初頭ドイツにクララ・ヴィークという優れたピアニストが生まれる。彼女はピアノ講師であった父親からピアノ教育を受け、その優秀さから9歳の頃にはドイツ全域で、天才少女として名を馳せた。その後、ロベルト・シューマンとの大恋愛の末、20歳で結婚。8人の子を授かる。ロベルトにとって天才ピアニスト・クララは、愛する妻であると同時に、創作のミューズであった。『クライスレリアーナ』『女の愛と生涯』『詩人の恋』など、彼の代表的なピアノ作品は、クララの影響を受けて生まれた。
 クララは、作曲の才能もあり、幼少期からその腕前を発揮した。しかし、18世紀、ナンネルの生きた時代と変わらず、19世紀当時も女性が作曲家になることは世間的に認知されておらず、女性であるという理由から正当な評価は下されなかった(有名ではないが、彼女の作品は今世にも残っている)。作曲家の道は断念したが、売れっ子ピアニストとしてヨーロッパ各地を演奏旅行で飛び回り、子育てをし、夫を支え、多忙ながらも充実した生涯だった。今もシューマン夫妻と交流の深かったブラームスとの不倫説が絶えないが、真相は藪の中。ブラームスにとってもクララがミューズであったことだけは間違いない。そしてかつてのドイツ紙幣100マルクに、クララの肖像が起用されていたことからも、彼女が国民的に愛され続けた証と言えよう。

上松明代(フルート奏者・作曲家)

武蔵野音楽大学卒業。在学中にハンガリーの「音楽」と「民族」に魅了され、卒業後ハンガリー国立リスト音楽院へ留学。31歳で知的好奇心から兵庫教育大学大学院で作曲を学ぶ。演奏活動と同時にバイタリティー溢れる作曲活動も展開中。六甲在住。You Tubeにてオリジナル曲公開中。
オフィシャルサイト http://akiyouematsu.com

〈2017年3月号〉
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