2017年
7月号
≪鉄のドローイング≫ 2000年/シマブンビル(BBプラザ)1F正面玄関にて常設展示中

行為は形に収斂する JUN TAMBA(彫刻家)

カテゴリ:文化人, 現代美術

 「行為は形に収斂(しゅうれん)する」これは最近私がたどり着いた造形思考を端的に表している言葉である。このことは数年前から着色を始めたことに関係している。これは私にとって大きな変化である。この数年ロシアに行く機会があって野外彫刻を3点ほど作ったが、それには着色を施した。鉄の素材感が薄れて形そのものの持つ意味と空間が現れた。それで鉄という素材の必要は無くなった、というとそうではない。素材感が弱くなったことによって、形そのものへ視線が向かうことになった。つまりすべては形に収斂するのだと理解した。そう考えると作品が色を持つ事も可能となった。とはいえ厳然と鉄はその姿を主張している。そこがいいと思っている。私の作品のその表れとしての曲線は、手の動き、肘のストローク、肩の運び、そしてそれにつれて連動する全身の移動の形なのだと思う。そしてそれらを組み合わせてつなげて立ち上げることをやってきたに過ぎない。私の描く一本の線、一本のカーブが私のこれまでの経験と思考の全てを語っていると考えるようになった。そしてそれは、最終的には、一本の線に還元するのではないかと思ったりもする。鉄という素材に出会い、行為を自覚することから出発し、空間と構成を考え続けてきた私の彫刻がここに来て大きく動き始めた。それだけでなく素材やメディアを変えても表現が可能だと考えは拡がっている。 今やっと私は、行為の呪縛から解放されつつあるのかもしれない。

撮影/柳銀珪(RYU Eunkyu)

JUN TAMBA(じゅん たんば)

京都府南丹市生まれ。2015年よりJUN TAMBAとして活動(本名塚脇淳)。鉄を素材に構成的抽象彫刻を追求し続ける。近年は制作プロセスを重視する公開制作などに力点を移し、海外での表現活動が顕著。神戸大学人間発達環境学研究科教授。

拡がる彫刻 熱き男たちによるドローイング

BBプラザ美術館では、《彫刻とドローイングの関係》をテーマに、8月4日(金)~27日(日)までJUN TAMBAさんの展覧会を開催! 8月5日(土)には、22×19m、重さ220㎏の布に描かれた巨大ドローイングを公開するイベントを開催。
■会場 BBプラザ美術館(神戸市灘区岩屋中町4-2-7)
■お問い合わせ TEL・078-802-9286

≪鉄のドローイング≫ 2000年/シマブンビル(BBプラザ)1F正面玄関にて常設展示中

〈2017年7月号〉
今も静かに時が流れる “御影” ―扉
弓弦羽神社|お正月、七五三、だんじり… 今も昔も地域の中心
西村屋 和楽|城崎温泉「西村屋 本館」のおもてなしの心を
シェ・Yamato|名士たちが愛した料理、古い家具に流れる“御影時間”
常盤堂|季節のうつろいを表現した繊細な和菓子
セセシオン コンディトアアテリエ|伝統菓子に感じる上質なオリジナリティ
ザ・ガーデン・プレイス・蘇州園|旧財閥による純和風木造の邸宅がすてきなレストラン…
香雪美術館
連載 輝く女性 ⑤ 日々の生活から “素敵”を見つける
「アルポルト」片岡護シェフの料理教室
明石のタコや丹波の鹿・猪など 神戸には素晴らしい素材が満載
連載 神戸秘話 ⑦ デザイン都市の象徴を手がけた偉大な建築家 置塩 章(おしお …
自然豊かな郊外住宅地として愛され続ける御影界隈
御影郡家について MIKAGE GUNGE
対談/進化する名門私立中学校 第8回 甲南中学校
華やかな宴でフィナーレ!|神戸国際フルート音楽祭& 神戸国際フルートコ…
英国と神戸 Vol.1 神戸異人館とA.N.ハンセル
海フェスタ神戸 ~港がつなぐ 海 ひと 未来~
連載 ミツバチの話 ⑫最終回
祝・「神戸―仙台線」就航!|神戸から仙台へ
Power of music(音楽の力) 第19回
“特別なもの”との出会い ベール・ド・フージェールの家具 12
第13回 神戸洋藝菓子ボックサン
神戸のカクシボタン 第四十三回 憧れ続けた男のロマンを求めて
兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第七十四回
未来に向かって挑む眼/[インタビュー]すっとんきょうなことを(岡本 太郎)|神戸…
行為は形に収斂する JUN TAMBA(彫刻家)
神戸鉄人伝 第91回 新都山流神戸幹部会副会長 加納 煌山(かのう こうざん)さ…
兵庫ゆかりの伝説浮世絵 第四十一回
連載エッセイ/喫茶店の書斎から⑭  神さまはおわします
兵庫のテロワール“五国の味めぐり“ ホテル ラ・スイート神戸で淡路を食す|耳よ…
はも、素麺など夏のおいしい淡路を紹介「淡路はもキャンペーン」|耳よりKOBE