2017年
6月号
6月号
淡河の暮らしも含めての農業|神戸の“美味しい”くらし
個人農園 森本 聖子さん
趣味のベランダ菜園からスタートし、栽培の奥深さを知った森本さんは、兵庫県の就農講座を受講、夫の理解もあり、勤めていた会社を辞めて専業個人農家となった。北区淡河町に点在するいくつかの畑で、ミニトマトやいちご、芽キャベツ、ハーブなどを栽培し、神戸市内のレストランに直接販売している。「レストランには週2回配達に行くので、効率よく売るためにできるだけいろいろな種類の作物を植えているんです」と、シェフたちの細かいニーズに応えられるのは、森本さんが個人で動いているからこその利点でもある。
現在は、淡河町内の民家を購入して住む。「毎日通って畑するのは大変でしょうって、淡河の地元の方に空き家を紹介していただいたんです」という森本さんは、地元の婦人会に所属し、村の草刈りや祭りにも参加。「おかげで村の方にはとても助けていただいています。そういった村の暮らしも含めての“畑”をやらせてもらっているので」。新規就農希望者は多いものの、継続するのが難しい就農者も多い中で、村のコミュニティを大切にすることで、長く続けられることにもつながるという。
栽培においては、「基本に忠実に作ること」を大切にしている。一人で行う農業は、毎年やっているうちに手を抜くことを覚えがち。だが基本の作業を忠実に、あとは必要な土と水、太陽の光でていねいに育てる。「この人においしい作物を届ける、というゴールが見えているのでがんばれますね」。
森本聖子(個人農園)
神戸市北区淡河町中山