2017年
6月号
6月号
農家はまず「何をしたいか」を考える|神戸の“美味しい”くらし
Cal-farm KOBE(キャルファーム神戸)
トマトやいちご、落花生など年間30品目を作り、西区のスーパーなどで販売している一方で、新規就農希望者や企業向けの講座を積極的に行っている大西さん。教えているのは栽培技術等に加え、販路拡大や農家経営について、そして自発的な売り込みや、取引先との信頼関係の構築といった「農家の道徳観」だ。「まず前提に、自分は何をやりたいかというビジョンを作ることが大切。農家はこれまでそのことをあまり考えてこなかった」と大西さん。現在ではインターネット販売やレストランに直接納品したりと販路は多数あり、農家の信念によってさまざまな販売形式が可能だという。農作物は大手の流通を通さず直接納品するのが、やはり一番新鮮でおいしい。
また一般向けに、収穫体験教室を開催。ただ収獲するだけでなく、とれたての野菜を料理にしたり競争したり。「まず農業を楽しんで、興味を持ってほしいのでエンターテイメント性を考えています」。大西さんが考える都市計画に『セントラルファーム構想』がある。街の中心に畑があり、その周辺にレストランや自然エネルギー施設が囲む、生活の一部に農業がある街。「昔で言う東海道五十三次です。あの時代は地元の食べ物はその土地でしか食べられなかった。食を求めて人間が動くんです」。
そんな構想やさまざまな活動は、すべて「神戸のおいしいものはまず神戸の人に食べてほしい」という地産地消の考えから生まれている。
Cal-farm KOBE
神戸市西区岩岡町印路56
090-7879-9321
HP http://www.calfarm-kobe.com/