1月号
神戸の食を通じて、神戸の魅力を世界に発信!
野菜、花卉、果物、水産物、畜産物など神戸は食の宝庫でもある。
神戸市は「食都神戸2020」を掲げ、世界の人々が集う「食の都」の構築に着手。
神戸市産業振興局農政部農水産課
課長 安原 潤 さん
農産園芸係長 山田 隆大 さん
神戸市は、人口150万人を超える大都市でありながら、山の幸、海の幸に恵まれた自然豊かな農漁業地域を抱えています。北区、西区に広がる農村地域は雨が少なく温暖で、野菜や果物などの生産に適しており、南側には、様々な水産物が獲れる豊かな漁場が広がっています。一方、開港以来、交易により栄えてきた歴史から、洋菓子・パン・洋食・中華など、国際色豊かで多様な食文化が醸成されています。神戸市では、2015年から、この神戸のポテンシャルを活かし、「食」を軸として街の活性化を図る新たな都市戦略「食都神戸2020」構想を推進しています。
市民に向けてのプログラムでは、ウェブサイト「EAT LOCAL KOBE(イート ローカル コウベ)」を立ち上げ、神戸の農業・農村やそこで生産されている農産物を紹介しています。また、欧米の多くの都市で日常的に開催されている「ファーマーズマーケット」もモデル的に開催しました。ファーマーズマーケットは、地元農産物の良さを知っていただくだけでなく、生産者と消費者・飲食店等との連携を深め、継続的な交流につながっています。その他にも、神戸産農水産物を素材に大学生、農漁業者、企業が連携したモノづくりや、市民や観光客が農業体験を楽しむ機会の拡大にも取り組んでいます。
一方、日本への外国人観光客数や農水産物の輸出額が過去最高を記録するなど、人や物の動きのグローバル化が進展していますが、「食都神戸2020」では、世界に向けてのプログラムとして、神戸産農水産物の輸出や、海外での「神戸の食フェア」の開催、海外のメディアを活用したインバウンドPRなどを実施しています。
神戸での地産地消のライフスタイル化や、「神戸の食の魅力」の世界への発信など、食を軸としたさまざまなプログラムを推進し、2020年、神戸が新しい食文化の発信地となり、世界の人々が集う「食都神戸」の実現をめざします。
安原 潤(やすはら じゅん)
1960年生まれ。神戸大学農学部卒業。神戸市役所では、農漁業の振興や農水産物の流通、農村地域の土地利用、農業振興拠点の建設などを担当。2014年度からは主に「神戸の食」の海外への発信や「食都 神戸2020」構想を推進
山田 隆大(やまだ たかひろ)
1974年生まれ。神戸大学農学部卒業。神戸市役所では、園芸生産物の試験研究、米政策、都市と農村の交流促進、農漁業の振興などに従事。現在は農水産物等の輸出や神戸にさんがろくプロジェクト、地産地消の推進などに取り組んでいる