1月号
Report KOBE|向山毅さん「ハンガリー国騎士十字勲章」を受章
京都大学名誉教授で、ハンガリー科学アカデミー原子核研究所客員教授、関西ハンガリー協会会長などを務める向山毅さんが、ハンガリーと日本の交流などへの功績が認められ、ハンガリー共和国大統領から「ハンガリー国騎士十字勲章」が授与された。
向山さんは1960年代に、京都大学化学研究所の研究グループの一員として、同じ分野での研究が進められていたハンガリー科学アカデミー原子核研究所との交流をスタート。その後、二国の共同研究が始まり、現在も分野を広げての共同研究が継続している。向山さん自身は1976年に初めてハンガリーを訪問。その後ヨーロッパで開催される国際会議出席などの機会を利用してほぼ毎年のようにハンガリーを訪れている。一方で向山さんは、学術面だけでなく文化面でもハンガリーとの友好を深めたいと、関西ハンガリー交流協会会長、日本ハンガリー友好協会理事として、ハンガリーの文化を主に関西に紹介する活動などを行ってきた。そういった一連の活動に対しての今回の勲章授与であり、関西でははじめての授章であるという。
「原子物理学においてのハンガリーとの交流が評価されたのは大変光栄。それまでハンガリーといえば音楽をはじめ文化は多く日本に紹介されており、政治面でも交流は深かったが、学術においての交流を評価され、とても嬉しい」と向山さん。授与式は、11月25日に東京・三田にある駐日ハンガリー大使館で行われた。
同じ頃、向山さんの妻で画家の向山和子さんが、ブタペストにあるハンガリー科学アカデミーで、LEDで光る絵画「ルミアート」を展示。11月4日~7日に行なわれていた「世界科学フォーラム」の関連企画で、光るアート作品の出品が事務局から依頼された。和子さんは長年水墨画家として活躍してきたが、3年前から「ルミアート」の制作も手がけており、LEDで絵画はさまざまな色彩に変化する。
7月9日~16日には、フランスにある兵庫県パリ事務所で水墨画展を開催。こちらは、兵庫県パリ事務所に日本の文化を発信するためのオープンスペース「ひょうご交流センター」が設立されたことを記念しての展覧会で、「國際現代」水墨画協会会長として兵庫県文化活動功労賞などを受賞している向山和子さんの作品が展示された。水墨画はフランス人に評価が高く、会場には多くの人が集い、「久しぶりの墨の絵を見て懐かしく、感動した」と話す在仏の日本人の姿もあった。