1月号
草葉達也の神戸物語
ゲスト: 高岡 浩三さん
(ネスレ日本 代表取締役社長兼CEO)
文系の私に経済界の方と知り合う機会はなかなかありませんが、神戸に本社を置くネスレ日本の高岡社長と御縁があり、お互いスポーツ好きということで話をさせていただきました。
草葉 高岡さんは大阪の出身と聞いておりますが。
高岡 大阪の堺市です。
草葉 神戸との最初の関りで言うと大学からですか?
高岡 そうですね。ただ大学に入る前から神戸には大阪にはない雰囲気や、外国の雰囲気もありましたので憧れの街でした。それと私は父親が早くに他界したので進路相談をしていたのが神戸の六甲に住んでいた叔父で、ずっと僕の相談役になってくれていましてね、大学を選ぶ時に経済・経営系に行きたいと相談をしたら、関西だったら例えば法学部だったら京都大学、医学部だったら大阪大学というように。
草葉 それぞれの大学に突出した学部があると。
高岡 そうです。偏差値ではなくてね。そこで経済・経営学部なら神戸大学と勧められて、それでキャンパスを見に行った時に、あーここに来たいなぁと思いましたね(笑)
草葉 いい場所にありますからねー。
高岡 大学のキャンパスに立った時に、まぁ日本一の景色・眺望といわれる大学じゃないですか、周りの環境も素晴らしいですし。そこからですねー、神戸への憧れが本当に強くなったのは。
草葉 神戸大学一本で。
高岡 第一志望で私学も受けてないです。他は受けなかったです。
草葉 それで神戸大学に受かって、神戸にお住まいになられて?
高岡 実家から通っていました。ただサークルとかで遅くなったら、叔父のところに従妹の家庭教師を兼ねて泊まらせてもらっていました(笑)
草葉 そうですか(笑) 大学時代に神戸の街でいろいろ思い出があると思いますが。
高岡 それがサークル中心の学生生活で(笑)
草葉 どのようなサークルですか?
高岡 テニスサークルですが初心者だったので、体育会では上手くならないなと思いましてね、KUCという今でもある一番大きな同好会に入りました。
草葉 いきなり体育会は無理ですよね(笑)
高岡 練習もさせてくれないですから(笑) それにその時代はテニスブームで。
草葉 ビョルン・ボルグとか?
高岡 そうそう、そうです。ナブラチロワとか・・・。
草葉 私もよく観に行きましたよ。キング夫人とか(笑)
高尾 そうです(笑) ですから、テニスコートもたくさんありましたし、テニスもしないのにラケット持って歩くのが流行でしたね(笑)
草葉 そんな時代ありましたね(笑)
高岡 僕も動機が不純でね、テニスしていないと女の子にはモテないと思って始めました(笑)
草葉 それは不純ですね(笑)
高岡 でもバイトも家庭教師なんかもたくさんしましたが、テニス始めて三年目でコーチのバイトを始めて、結構稼ぎました。生徒が二千人ぐらいいて。
草葉 え!
高岡 ネスレの初任給の倍は稼いでいました(笑)
草葉 (笑) ネスレの話がでましたが、ネスレに就職されたのは?
高岡 日本の企業では好きなことができないと思っていましたので、数ある外資系の会社の中から本社が神戸のネスレを選びましたが、そこにはやはり神戸が好きだったからということがありましたね。
初めてお話しさせていただいた印象は、大企業の社長さんとは思えないほど気さくで温厚な方でした。スポーツの話ならいつまでも話が尽きない感じでしたねー。また社長室で珈琲をいただきたいです。とても贅沢(笑)
たかおか こうぞう
1960年大阪生まれ ネスレ日本 代表取締役社長兼CEO。神戸大学経営学部卒業。著書に「ネスレの稼ぐ仕組み」( KADOKAWA/中経出版)などがある。
くさば たつや
神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員、日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員、大阪大学文学部研究科
阪南大学国際コミュニケーション学部非常勤講師
ひょうご老舗会実行委員長