11月号
女流画家の夢がつまった小さな美術館 世良美術館
世良美術館は、画家・世良臣絵の個人美術館である。明治44年(1911)、東京に生まれた世良は、「女が一人でも生きていけるように」という父の考えにより3歳からピアノを習い、6歳で東洋英和女学校の寄宿舎に入れられた。卒業後はピアノ指導者となり、結婚後に神戸に移り住んでいる。
その後、30歳より本格的に画家として活動を開始。昭和41年(1966)にフランスへと遊学したことを皮切りに、ギリシャやポルトガルなどヨーロッパ各地へ遊学。帰国ごとに、ヨーロッパ滞在中に描き上げた写生作品の個展を開催するという作家活動を続けた。
そして80歳になった平成4年(1992)、念願の「世良美術館」を開館。神戸市建築文化賞はじめ、多数の賞を受賞した美術館は、ヨーロッパに多い小さな個人美術館を参考に「女性がホッと深呼吸できる空間」をコンセプトに設計された。白を基調とした館内は、塔の部分にある螺旋階段を伝って、地下1階から2階までの展示室を行き来することができる。展示室には、世良の水彩、油彩、ガラス絵作品や、師である小磯良平氏のデッサン作品、また陶芸家の濱田庄司の作品を常設展示する。このほか、文化の薫り高い「御影」にふさわしい社交の場となるよう、サロンコンサートや音楽リサイタル、個展、水彩画教室などを毎週のように開催している。
創設者の夢がつまった陽光溢れる館内で、ゆったりとした時間を過したい。
世良美術館
神戸市東灘区御影2-5-21
TEL.078-822-6456
■開館 10:00~17:00
(1月・2月は~16:00)
入館は30分前まで
■休館 月曜日、火曜日(月曜日が祝日の場合も閉館)
年末年始、コンサート開催日
※臨時休館がございます
※お手数ですが事前に休館日カレンダーを参照下さい!
■料金 一般500円 シニア400円
小中高大生300円、未就学児は無料