5月号

映画『港に灯がともる』が、神戸にてクランクイン|阪神・淡路大震災から30年目に公開予定
神戸を舞台にした映画『港に灯がともる』の撮影がスタートしました。オール神戸ロケの本作は、阪神・淡路大震災から30年にあたる2025年1月公開の予定。ノエビアスタジアム(神戸市兵庫区)では成人式のシーンを撮影、出演の富田望生さん、山之内すずさん、監督の安達もじりさん、プロデューサーの堀之内礼二郎さんが参加し取材会が行われました。
この映画の始まりは、2020年にNHKで放送された土曜ドラマ『心の傷を癒すということ』にさかのぼります。この作品は、阪神・淡路大震災のあと、傷つき苦しむ人たちに寄り添い続けた精神科医、安克昌さんをモデルとした物語。
「震災から29年。現在、神戸市在住で震災を経験していない方は3割を超えたそうです。ですが、震災への思いはどんな人にもあると取材を通して知りました」と堀之内さん。街には変わらず、様々な理由で傷つき苦しむ人がいる。また人の心に寄り添う映画を作ろうと、再び制作チームを結成しました。
主人公の灯(あかり)役は、NHK朝ドラ『ブギウギ』で小夜ちゃんを好演した富田望生さん。監督は朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で演出を担当した安達もじりさん。安達さんは、「毎日生きる、明日も生きるってどういうことだろう。“明日もがんばって生きよう!”ではなくて、“明日もただ生きる”という些細なことを考えたい、伝えたいと思っています」。
神戸だけではない、どこに住んでいても、誰もがふと感じる“しんどさ”を癒すとはどういうことだろう。39歳で亡くなった安克昌医師の志が映画に込められ、来冬、全国に届きます。

左から、堀之内礼二郎さん、富田望生さん、山之内すずさん、安達もじりさん
主人公は、阪神・淡路大震災の1ヶ月後に長田で生まれた在日韓国人三世の金子灯。家族は、震災後、長田を離れて仮設住宅に移り、その後復興住宅で暮らします。震災で家も仕事も失い、家族の生活は荒廃していきました。幼い頃から家族との確執を抱え、家を飛び出すことばかり考えてきた灯。なぜこの家族に生まれてきたのか。家族と私、国籍と私。双極性障害を発症し、回復を目指していく中で希望を探し続ける日々。時を経て障害との付き合い方がわかってきた灯は、新しい職場で長田区にある丸五市場の再開発計画と関わることに。コロナ禍を経て、様々な人々と出会い、支えられ、心を通わせ、家族とも向き合い、長い時間をかけて、人生にかすかな光を見出していきます。2013―2025年、高校卒業から12年間に及ぶ主人公・灯の模索の日々を、神戸の喧騒を舞台に繊細に紡いでいくオリジナルストーリーです。
【監督】安達もじり
【出演】
富田望生 伊藤万理華 青木柚 山之内すず 中川わさ美 MC NAM
田村健太郎 土村芳 渡辺真起子 山中崇 麻生祐未 甲本雅裕
【スタッフ】
脚本 川島天見・安達もじり(NEP)、エグゼクティブプロデューサー 大角 正、プロデューサー 城谷厚司
堀之内礼二郎(NEP) 安成洋、取材 京田光広(NEP)
【製作】ミナトスタジオ https://twitter.com/minatostudio117
【配給】太秦