5月号
極楽山 浄土寺|ワンちゃんと行く、小野ドライブ
国宝建築と快慶仏に出会う、極楽の古刹へワン詣(わんもうで)
浄土寺は、お堂の中は犬と一緒に入れないが、国宝の浄土堂をはじめ、重要文化財の建物が点在し、わんちゃんと境内を歩くだけでも訪れる価値大。塔頭 歓喜院ではかわいい“福犬おみくじ”も授与され、愛犬家に大人気!
「極楽山 浄土寺」は鎌倉時代初頭、東大寺大仏殿の再建で知られる重源上人(ちょうげんしょうにん)が開いた古刹で、境内には国宝・重要文化財がずらりと並ぶ。建久8年(1197)に完成した「浄土堂」は、宋の建築様式を取り入れた“大仏様(だいぶつよう)”。大仏様の建築物は、東大寺の南大門と浄土寺浄土堂の2つしか残っておらず、仏堂建物としては唯一のものとなる。堂内は化粧屋根裏が広がり、朱く塗られた垂木と白色の野地板という朱と赤のコントラストが圧巻。その中央に立つのが名仏師・快慶(かいけい)による国宝の阿弥陀三尊立像(あみださんぞんりゅうぞう)だ。像高5.3mの阿弥陀如来(あみだにょらい)を中心に勢至菩薩(せいしぼさつ)と観音菩薩(かんのんぼさつ)が付き添う三尊像。雲座の上に立つ姿は、「極楽浄土から雲に乗ってお迎えにくる様子」を表したもの。一般的な仏像と逆の両手の上げ下げや左右逆に配置された脇の菩薩など、宋の仏画を参考にした快慶の個性が随所に光る。
夕刻になると、西側の蔀戸(しとみど)から光が差し込み、阿弥陀三尊立像に後光がさすように真紅の光に包まれる。まさに光を背負った阿弥陀や菩薩がこの世にあらわれたかのような息をのむ美しさ。堂内はペット同伴不可なので今回は外観のみの見学になるが、次回はワンちゃんに留守番をしてもらって、改めて訪れ鑑賞したい名品だ。
池を挟んで向かい合うように建つ「薬師堂」は、浄土寺の本堂。建立当初の建物は焼失し、室町時代の永正14年(1517)に再建。和様、禅宗様などの建築技法が混在した折衷式の建物となっている。 西に来世(西方極楽浄土)を表す「浄土堂」と、東に現世(東方浄瑠璃世界)表す「薬師堂」があり、境内を二分する中央の道は「三途の川」を表現していると言われている。現生と来世を行き来して心機一転すれば、パワーを授かる新しい道が切り拓かれるかも!


浄土堂(国宝)※堂内はペット同伴不可
赤と白のコントラストが美しい屋根裏や、てこの原理で屋根を支える構造が現代建築の視点からも重要視される国宝の「浄土堂」。堂内には、快慶作の国宝「阿弥陀三尊立像」が安置され、光の演出効果を狙った造りも必見

八幡神社 本殿(重要文化財)
創建時にまつられた浄土寺の鎮守社。檜皮葺の三間社流造の建物で、花木や鳥などを配した写実的な蟇股に室町時代後期の特徴がよくあらわれている

八幡神社 拝殿(重要文化財)
浄土寺の鎮守社。本瓦葺、寄棟造の大きな割拝殿。天井を張らず、貫、肘木などの組み物に大仏様が取り入れられる。拝殿前の狛犬は撮影スポットとして人気

薬師堂(重要文化財)
浄土寺の本堂。大仏様・和様・唐様が混在する折衷様式

塔頭 歓喜院
犬と一緒に参拝できる、めずらしい塔頭寺院
「ワンちゃんと行く小野ドライブ」にぴったりなのが、浄土寺が全国のお寺でも珍しく犬連れの参拝OKという点。お堂の中にこそ入れないが、浄土寺の境内や「塔頭 歓喜院」はペットとともにお参りができる。浄土寺は、「歓喜院」「宝持院」という2つの塔頭寺院で護持しており、そのひとつ、歓喜院は浄土堂近くの階段を降りたところにあり、本尊として大日如来を安置している。
おみくじや御朱印、お守りなどの授与所もあり、特にかわいらしい犬のおみくじ付き人形が愛犬家に大人気。人形は一つずつ、歓喜院の副住職、鑑 光顕(かがみ こうけん)さんが手作り。それゆえに表情がすべて異なり、ころんとした優しい体型でおみくじを背負う。気になるおみくじ人形がいれば、ぜひおうちに連れて帰ってみてはいかが。


歓喜院の副住職、鑑 光顕さんがおつとめの合間、人形一体一体に想いを込めて形作っておられるそう

愛犬家に人気が高い福犬おみくじ1,000円

こどもの健やかな成長を願う、五月人形おみくじ2,000円(鯉のぼりとセット、敷物つき)。数量限定

どのお人形も光顕さんに似て、柔らかな優しい表情
浄土寺の魅力をデジタルコンテンツで紹介!
ワンちゃんと一緒に拝観できない場所や仏像はデジタルコンテンツを活用しよう。
現地にある看板内のQRコードをスマートフォンから読み込もう!

GPS連動デジタルマップ
浄土寺の境内をスマートフォンが案内。現在地に合わせて「浄土堂」や「開山堂」、「歓喜院」などの位置や解説が自動で表示される

デジタルブック
お寺を開いた僧侶の重源キャラクターが登場。国宝である「浄土堂」の建築のこだわりや特徴などをマンガ調の作品で楽しめる

バーチャル案内人
キャラクターが登場して、国宝である「浄土堂」、重要文化財の「八幡神社」などの建立秘話や建築の特徴などを分かりやすく解説

全方位バーチャルビュー
「薬師堂」を360度撮影した画像をつなげたバーチャル空間を、移動しながら視覚的に理解ができる

高精細映像作品
高精細映像作品は「浄土堂」内に設置されているデジタルサイネージで楽しめる

極楽山 浄土寺
小野市浄谷町2094
拝観時間9:00~12:00、13:00~17:00
(昼の1時間は閉堂。年末年始は拝観不可)。
拝観料500円。浄土堂内は撮影禁止
歓喜院:0794-62-4318
宝持院:0794-62-2651
裏山の散策道は6月中旬、20種類、約2,000株のあじさいが満開に。
参詣後のワンちゃんのお散歩にもおすすめ!












