2015年
11月号
11月号
特集 ー扉 阪神間モダニズムと住まい
1900年代初頭に阪神間で育まれた独自の近代文化を「阪神間モダニズム」と名付けた。その背景には、“郊外住宅地の開発”があった。明治期以降、商業都市・大阪や国際港湾都市・神戸で成功した財界人が、屋敷や別荘を構えたのは、西宮から神戸にかけての阪神間エリアであった。多くの財界人や文化人も環境の良い阪神間に移り住み、その結果、ハイセンスな独自の文化を成熟させてきた。夙川、芦屋川、住吉川、3つの川を流れる清流は、街に潤いを与えてきた。やがてその潤いは、阪神間に浸透し、今日の邸宅文化を開花させた。