3月号
田辺眞人の まっこと!ラジオ人物事典 「神戸っ子出張版」3
ゲスト 藤池 俊さん(ピッコロシアター・兵庫県立ピッコロ劇団館長)
パーソナリティ 田辺眞人さん(園田学園女子大名誉教授)
天宮 遥さん(ピアニスト)
ラジオ関西・日曜朝の番組「田辺眞人のまっこと!ラジオ」の中の「まっこと! ラジオ人物事典」は、各界で活躍されているゲストを迎えたコーナーです。出張版では、その中でも特におもろいお話を抜粋してご紹介。
天宮 県立の劇場つき劇団というのは、全国でも珍しいですね。
藤池 そうですね。それに、県立のホールで劇場に特化したものも珍しいようです。
工業地帯が広がっていた尼崎の地域に、兵庫県のCSR(カルチャー・スポーツ・レクリエーション)事業として1978年に兵庫県立尼崎青少年創造劇場(ピッコロシアター)ができました。その後、1983年に創立された演劇学校は演技について学び、その後裏方を学ぶ舞台技術学校が出来て、舞台に関わるすべての人のための学校になっています。「ピッコロ劇団」は1994に創立され、舞台公演活動のほかにも、学校や地域で演劇指導などアウトリーチ活動も行っています。劇団は少年が舞台を見る機会を創ることも大切にしているので、幅広い作品を演じます。これまでシアトルやモスクワなど海外公演にも出かけています。
田辺 劇団創立間もなく阪神大震災だったのですか。
藤池 別役実さん書下ろしの公演を控えた、最後の仕上げのときに震災が起きました。建物やメンバーたちは無事だったのですが、こんなときに演劇など続けられるのだろうかと悩んだようです。結局、演劇を通して何かできることをやろうと、避難所になっている学校の校庭で激励活動をし、被災した皆さんから声援いただいて逆に励まされたということでした。その経験は今のピッコロ劇団の活動の原点になっています。昨年の東日本大震災にあたっては、東北の演劇グループから、震災時に自分たちに何ができるかと相談を受けたので、阪神のときの活動記録をお渡しし、参考になったようです。昨年夏にはピッコロ劇団員の一部が東北で演劇ワークショップをしました。9月には仙台を中心に活動する劇団の公演をピッコロシアターで実施し、今年6月に2回目の公演をピッコロシアターで行う予定です。5年、10年先を見て交流していきたいと思っています。
天宮 小学校の頃に見た演劇の舞台って、大人になっても心に残っているんですよね。ぜひ地域の方も、劇場に足を運んでいただきたいと思います。
「田辺眞人のまっこと!ラジオ」
ラジオ関西 毎週日曜日 朝10時~12時放送中