2018年
3月号

harmony(はーもにぃ) Vol.1 「子どもに何をしてやらないか」にこころを使う時代

カテゴリ:教育・スポーツ, 神戸

 ものが豊かになるということは、大変なことです。ものが豊かな分だけこころを使わないと幸福になりませんから。日本人は一生懸命努力してお金持ちになることを目指しましたが、「お金持ちって実は大変なんですよ」ということは誰も教えてくれなかった。今、そのことにようやく気付き始めて、急に心の問題が問われるようになった。よく「こころが貧しくなった」などと言いますが、私は「何もこころは貧しくなっていません。ものが豊かになったから、こころが追いついていかないのです」と言いたい。

『私が語り伝えたかったこと』
河合隼雄著 河出書房新社刊

 私事ですが、就学前の孫たちは望むと望まないとに関わらず、ずいぶん多くのおもちゃを次から次へと与えられ、部屋は足の踏み場もないほどです。クリスマスやお正月が毎日来ているような感じです。こんなに次々と与えられ続けていて、子どもはどう感じているんだろう、と不安にもなります。
 ほしいものをじっと待つ楽しみや、努力して獲得する苦労、望んでも叶えられない無念さや悲しさを経験しないというのは子どもの成長にとっていいとは思えません。
 河合先生流に言えば、ものが豊かにあふれている時代の子育てでは、親は、「子どもに何をしてやるか」、よりも、「何をしてやらないか」、にこころを使う必要があり、ここに今の子育ての難しさの一端があるように思われます。

公益社団法人 家庭養護促進協会
事務局長
橋本 明

愛の手運動は親に育てられない子どもたちに、里親・養親を求める運動です。
募金箱の設置にご協力いただける方は協会にご連絡ください。

公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所
神戸市中央区橘通3-4-1 神戸市総合福祉センター2F
TEL.078-341-5046 http://ainote.main.jp/wp/
E-MAIL:ainote@kjd.biglobe.ne.jp

月刊 神戸っ子は当サイト内またはAmazonでお求めいただけます。

  • 電気で駆けぬける、クーペ・スタイルのSUW|Kobe BMW
  • フランク・ロイド・ライトの建築思想を現代の住まいに|ORGANIC HOUSE
〈2018年3月号〉
メルセデス・ベンツで旅するドイツ in KOBE Vol.8
かけがえのない生命(いのち)をジュエリーで表現 『ギメルの四季』Vol.7
連載 神戸秘話 ⑮ 心の幼児教育と愛の看護 井深大・井深八重
レクサスと日本のモノづくり ①
〝阪神間モダニズム〟の中心として発展してきた御影・住吉
国際基準を満たす戦略性と然と調和した美しさを併せ持つ《六甲国際ゴルフ倶楽部》
文学を生み出す、夙川 ー扉
清らかな暮らしの中に文学が宿る “夙川と文学”
小松左京が描いた夙川 ~短編小説「歌う女」に滲む郷愁
夙川に文化の薫香を放った幻のカフェ パボーニ物語
すし 季節一品 鯛のたい|神戸の粋な店
どう生きる? どこで生きる? X/47|#どこで生きる|兵庫は、この人
御影・住吉の暮らしを語る「人の心が通い合う街であり続けるために」
伊藤智雄先生に聞く 「教えて、病理医のお仕事」
harmony(はーもにぃ) Vol.1 「子どもに何をしてやらないか」にこころ…
音楽のあるまち♬6 ロックを通して震災を次の世代に伝え、減災につなげる
Power of music(音楽の力) 第27回
ベール・ド・フージェールの美しきアンティーク家具
英国と神戸 Vol.9 神戸のハイカラ文化を伝える トアロード
兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第八十一回
神戸のカクシボタン 第五十一回 メインディッシュな前菜に心躍る
ウガンダにゴリラを訪ねて Vol.5
神戸鉄人伝 第99回 兵庫・神戸CSの会会長(元神戸新聞社常務取締役) 山田 弘…
兵庫ゆかりの伝説浮世絵 第四十九回
連載エッセイ/喫茶店の書斎から ㉒ 星の學者
新島襄を癒した有馬温泉|有馬歳時記