2018年
3月号

どう生きる? どこで生きる? X/47|#どこで生きる|兵庫は、この人

カテゴリ:住環境, 見どころ

人生の選択は「今、ここ」だけじゃない。
新しい場所に移り住んで、人生を切り開く人々が、日本中にいます。
兵庫は、この人


東京のど真ん中で ふと芽生えた疑問。

─出身はどこですか?

鶴巻 東京の臨海部の高層団地で育ったんですよ。神宮球場の近くの高校に通っていたとき、社会人になってもこうやって会社に通うのは大変だなぁと。

─巨人ファンなのに神宮ですか!?

鶴巻 東京ドームの近くに行きたい学校がなかったもので(笑)。浪人時代も家から横浜の予備校に通っていたのですが、ある日関西に行けば一人暮らしもできるとひらめき関西の大学を目指し入学、住んでみるととても住みやすくて気に入りました。

─どんな学生時代を送りましたか?

鶴巻 子どもたちを支援するNPOでのボランティアに熱中しました。妻ともそこで知り合ったんです。活動の一環で妻の実家の畑で焼き芋キャンプをしたのですが、神戸市北区淡河へ来たのはそれが最初でした。その時は特に里山に興味があった訳ではないんです。

─なのになぜいま淡河へ?

鶴巻 卒業後、公文教育研究会に就職し宮城県に赴任したんですよ。そこで、田舎の塾で先生が地域の教育を担っている姿に触れ、自分も一か所にとどまって地域とともに生活してみたいと思うようになったのです。その後、もともと活動していた西宮のNPOへ転職して結婚、子どもも生まれたこともあり、働き方や生き方を変えようと4年前から淡河で暮らすようになりました。

今の時代の新しい お百姓さんスタイル。

─村に入るのには苦労があったでしょう。

鶴巻 淡河は妻の実家がありますし、有志の方々がもともと地域おこしの活動をしていたので、入りやすかったですね。入居募集が出ている訳ではないので、知人の紹介で空き家を探して持ち主と直接交渉しました。この家は大正時代の建築で、6部屋あって家賃も都心部に比べると大分安いと思います。

─現在はどんなお仕事を?

鶴巻 いろいろです。農村定住促進コーディネーターは3年目になります。神戸市と組んで北区へ移り住みたい方を斡旋する仕事です。ぼくは主に都心部の人への情報提供を担当し、年間4~5件マッチングしています。淡河には県内でも数少ない茅葺き屋根の葺き替え職人がいるのですが、そこで週2回、茅を束ねたり運んだりするテッタイという仕事もしています。また、神戸の中小企業に長期インターン生として学生を斡旋するコーディネーターもしています。あとは自分の事業としてさつまいも農園ですね。バタバタですが、複業は百の技や知恵を持つ昔の「お百姓さん」に近いのかなと思います。パソコン仕事の翌日に現場や畑に出るとか、気分転換ができるので、以前と比べストレスも溜まりにくいです。

守られている安心感がある。

─ここだからできたことってありますか?

鶴巻 昔の大名や庄屋さんが利用したとされる「淡河宿本陣跡」という古民家を、地域のメンバーで知恵を出しながら活用しています。

─移り住んで良かったこと、困ったことは?

鶴巻 東京ではお互い干渉しない環境で育ちましたが、ここはお互いが守り合い助け合う感覚があります。面倒でないと言えば嘘になりますが、都会にはない安心感があるのが良いですね。困ったことは特にないですけど、長男が今年小学校に入学するのですが、同級生が4人しかいなくて全員男の子なのがちょっとかわいそうかな(笑)…と。

─それじゃ野球もできないですね(笑)。最後に、これからの夢を!

鶴巻 干し芋の商品化です。昨年から実験的にやっていますが、品質はもちろん、パッケージにも力を入れていきたいです。目標を決めてもその通りにならない時代なので、時流に合わせてお金になる仕事を創造し、面白いことができたらいいですね!

つるまき農園 園長
鶴巻 耕介 さん

1984年東京生まれ。2014年に神戸の農村地域に移り住み、コミュニティを耕すの意を込めて「つるまき農園」という屋号で活動中。百の知恵と技を持つ現代版お百姓さんになるべく、複業に取り組む。

詳しくは政府広報オンライン キャンペーンページへ。
全47都道府県の「#どこで生きる」をご覧いただけます。

https://www.gov-online.go.jp/cam/dokoiki/

※ または「政府広報 どこで生きる」で検索してください


ぼくもこの兵庫が大好きだ!

 兵庫県といえば神戸市に多くスポットが当たりがちですが、広い県なんです。海があって山もあって島もあってお洒落な街もある。海と山があるということは食べ物が美味しいわけで、しかも街に行けば美味しいパン屋さんにケーキ屋さんもある。最強ですよね。それと、交通の便がいいんです。空港は三宮からポートライナーで18分、新神戸駅は三宮からひと駅です。移動が多い仕事の方には便利なところだと思います。便利ですが、三宮から30分も電車に乗ると西にも東にも北にも静かな住宅街があります。バランスがいいんです。
 ぼくの住む尼崎は「the 下町」、昔からの人情があるところで、ダウンタウンを生んだ街でもあります。ぼくは阪神タイガースのユニフォームを着ているので、よく阪神ファンに声をかけられます。尼崎にはお寺が多く、「忍たま乱太郎」のモデルになったお寺もあるんですよ。春の武庫川の河川敷は桜がきれいです。ここでラジオ出演や地域イベントの司会などで地域を盛り上げていますが、芸人や市民を集め野球大会を開催したいですね!

住みます芸人
山田スタジアム

1976年生まれ、大阪府出身のお笑い芸人。ネタは野球のユニフォーム姿で披露。趣味・特技は、映画、スポーツ、プラモデル、ラジコン、野球、競馬、野球選手のものまね。

〈2018年3月号〉
メルセデス・ベンツで旅するドイツ in KOBE Vol.8
かけがえのない生命(いのち)をジュエリーで表現 『ギメルの四季』Vol.7
連載 神戸秘話 ⑮ 心の幼児教育と愛の看護 井深大・井深八重
レクサスと日本のモノづくり ①
〝阪神間モダニズム〟の中心として発展してきた御影・住吉
国際基準を満たす戦略性と然と調和した美しさを併せ持つ《六甲国際ゴルフ倶楽部》
文学を生み出す、夙川 ー扉
清らかな暮らしの中に文学が宿る “夙川と文学”
小松左京が描いた夙川 ~短編小説「歌う女」に滲む郷愁
夙川に文化の薫香を放った幻のカフェ パボーニ物語
すし 季節一品 鯛のたい|神戸の粋な店
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