2015年
1月号
「甘鯛・鯖の棒寿司」鯖寿司は「漬かり過ぎて身が白くなるのは自分でもイヤなんです」と上田さん

芦屋を歩く(3) 山海百味 一駛 (ひとし)

カテゴリ:和食, 芦屋

素材の味を生かす逸品ぞろい落ち着いた雰囲気が地元・芦屋で好評
「山と海の幸が一所には駛せ、集まる」と作家・陳瞬臣さんにお墨付きをいただいたという寿司・割烹の店。上田一駛さんが大阪の老舗寿司店での職人修行を経て、芦屋で店を構えて26年。地元では「誰にも教えたくない」と言われるほど独り占めしたくなるお料理と、芦屋らしい落ち着いた雰囲気だ。
 魚介はその時季に最も美味しくなる産地から、魚屋さんが厳選して届けてくれる。メニューに載せる食べ方はほんの一例。お造り、焼く、煮る、蒸す、揚げる等々、好みに応じて料理してくれる。甘鯛の棒寿司はほぼ年間を通しての一駛名物で、他ではなかなか味わえない逸品。冬に最も脂がのった鯖の棒寿司も程よい塩加減で、酢で〆過ぎないのが職人の技。春から秋にかけて旬の鱧や鯵、秋刀魚なども登場する。
 フグやカニの素材本来の味を生かす「梅肉鍋」も、一駛ならではの味。梅の香りが効いた出汁で野菜もたくさん、雑炊までさっぱりといただけて身体に優しい。
「作り置きしたものはお出ししない」をポリシーとし、注文を受けてから調理を始めるのが基本。20種類以上そろった全国の日本酒も、和食好きにはこの上なく魅力的だ。

「甘鯛・鯖の棒寿司」鯖寿司は「漬かり過ぎて身が白くなるのは自分でもイヤなんです」と上田さん


「甘鯛の酒蒸し」ここにも梅肉の隠し味。
後味さっぱり


「れんこんまんじゅう」カリッと油で揚げて出汁で
いただく上品な逸品


「陳先生が『こういう店には頑固おやじがいるのだろう』と言っておられたそうですが、一度ご来店いただいてからはご贔屓にしていただいています」と話す上田さんのにこやかな表情で納得


店内は、カウンター10席と
奥に5~6人利用可能な個室


陳舜臣さんの筆による
「山海百味 一駛惣聚」


山海百味 一駛

芦屋市大原町11-24-101
ラポルテ北館1F東側
TEL:0797-38-0591
営業:17:30~23:00(L.O 22:30)
休業:日曜・月曜定休

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〈2015年1月号〉
特集 ー 豊かな自然と住環境を 市民自ら守る街、芦屋を歩く
芦屋を歩く(2) 日本料理 ふる里
芦屋を歩く(3) 山海百味 一駛 (ひとし)
芦屋を歩く(4) 日本料理 あめ婦
芦屋を歩く(5) レストラン あしや竹園 (ホテル竹園芦屋 直営レストラン)
芦屋を歩く(6) PAN TIME (パン タイム)
芦屋を歩く(7) アンリ・シャルパンティエ 芦屋本店
芦屋を歩く(8) 芦屋 田中金盛堂
芦屋を歩く(9) Pantry パントリー芦屋店
芦屋を歩く(10) 芦屋神社
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