2015年
1月号

神戸のカクシボタン 第十三回

カテゴリ:観光

写真/文 岡 力

「日本を雷から防衛する基地」

 自宅のある大阪から神戸へと向かう通勤電車では、無意識に山側の席へと座り景色を眺めるのが日課となっている。JR尼崎駅を過ぎたあたりで目にする稲妻マークが表記された建物。雷対策専門メーカー「音羽電機工業株式会社」が2008年に開設した「雷テクノロジセンター」である。同社が商標登録を掲げる「免雷」という言葉。同センターでは、雷から建物の外観を守る避雷針や電気設備を保護する避雷器など製品開発に伴う様々な試験・開発が行なわれている。特撮映画に出てくる地球防衛軍さながらの館内。雷の模擬体験では、ガラス張りの隣室から凄まじい光と音を至近距離で体感することができる。まさに「一瞬のエンタテインメント」と言える。併設の雷ミュージアムでは、雷の関連グッズや「カミナリの化石」といった珍宝も陳列されている。回廊では、自然との共生をコンセプトに平成15年から実施されている「雷写真コンテスト」での受賞作品を展示。人と自然が織り成す作品の数々は、おもわず立ち止まり見入ってしまう。開設以来、2万人の来場者を動員。自然科学に関心のある学生や子供などリピーターも多いと言う。ふらり途中下車した尼崎で童心にかえることができた。
おかげさまで連載も2年目に突入。今年も蟻の如く神戸を徘徊します。


カミナリの化石


第11回雷写真コンテスト グランプリ作品
「火山雷・南岳(桜島)への直撃」

雷テクノロジセンター

兵庫県尼崎市潮江5丁目6番20号
見学時間:水・木曜日(入場無料)
※但し、10名以上での事前予約が必要です
お問い合わせ
06-6429-3591(広報室)

岡力(おか りき)コラムニスト

ふるさとが神戸市垂水区。著書「アホと呼ばれた’80S」「噂の内股シェフ」「関西トラウマ図鑑」
連載「大阪ロマン紀行」(大阪日日新聞)
出演「おちゃのこSaiSai」(J:COMチャンネル)
「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)

月刊 神戸っ子は当サイト内またはAmazonでお求めいただけます。

  • 電気で駆けぬける、クーペ・スタイルのSUW|Kobe BMW
  • フランク・ロイド・ライトの建築思想を現代の住まいに|ORGANIC HOUSE
〈2015年1月号〉
特集 ー 豊かな自然と住環境を 市民自ら守る街、芦屋を歩く
芦屋を歩く(2) 日本料理 ふる里
芦屋を歩く(3) 山海百味 一駛 (ひとし)
芦屋を歩く(4) 日本料理 あめ婦
芦屋を歩く(5) レストラン あしや竹園 (ホテル竹園芦屋 直営レストラン)
芦屋を歩く(6) PAN TIME (パン タイム)
芦屋を歩く(7) アンリ・シャルパンティエ 芦屋本店
芦屋を歩く(8) 芦屋 田中金盛堂
芦屋を歩く(9) Pantry パントリー芦屋店
芦屋を歩く(10) 芦屋神社
[対談]神戸の明るい未来をめざして
阪神・淡路大震災 20年に寄せるメッセージ 2015年1月17日 神戸から
キュレーターが震災を語り継ぐ 1月17日よりスタート
新連載コラム 「第二のプレイボール」Vol.1
芦屋と平田町 そのあゆみと価値
モダニズムと和洋がオーバーラップ 芦屋ならではの建築文化が生まれた
祖父母との思い出を紡ぐ「芦屋の中の京都」平田町 《ギャラリー開雄》
“上等な”暮らしではなく、“幸せな”暮らしがある 《稲畑邸》
テニスを通して、 社会に貢献する《芦屋国際ローンテニスクラブ》
気鋭のフレンチシェフが生み出す芸術品のような一皿 《メゾン・ド・ジル 芦屋》
日本が世界に誇るマリーナ 《芦屋マリーナ》
兵庫県医師会会長インタビュー 大災害時には大型船舶を活用して医療・介護・福祉の支…
近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの“ことば”と見る 平尾工務店「オーガニッ…
オール兵庫県ロケを実施! うつくしい街の、実直な職人の姿を描く『繕い裁つ人』1月…
神戸のカクシボタン 第十三回
INFORMATION 加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸 2015
草葉達也の神戸物語
神戸鉄人伝(こうべくろがねびとでん) 第61回
第十一回 兵庫ゆかりの伝説浮世絵
触媒のうた 47
[神戸百店会NEWS]ママに幸せを運ぶブランド「Mon Stork(モン ストー…