5月号
市民の手でつくるフルートのまち神戸!
「第9回 神戸国際フルートコンクール」開催!
神戸国際フルートコンクール応援実行委員会 委員長
オリバーソース株式会社 代表取締役社長
道満 雅彦 さん
世界三大フルートコンクールのひとつに数えられる「神戸国際フルートコンクール」が、5月25日~6月4日に開催されます。第9回の今年は「神戸国際フルート音楽祭~音楽で楽しむ開港150年」(6月11日まで開催中)と位置づけ、既に神戸の街中が音楽に溢れています。
―市の補助金廃止発表から一転して開催に至った経緯は。
道満 神戸国際フルートコンクールはクラシック音楽やフルートの世界では認知度は非常に高いということです。1985年から4年毎に開催されてきましたが、私を含め神戸市民が10人いても全員が知らないと言っても過言ではないでしょうね。市民の税金を使うことに対して理解が得られないと判断されたのは当然だと思います。しかし、神戸市さんが市の補助金廃止を発表した途端に、市民をはじめ世界中から存続の要望があがり、東京の篤志家からの大口寄付もあって、開催の可能性が出てきました。
―地元企業が協賛・協力して開催することになったのですか。
道満 文化というのは行政が支えて花開くものではなく、市民の中からムーブメントが起きて、市民が盛り上がってこそ意味があります。そこで、「神戸市の予算は使わずに、地元企業や市民の手で盛大に花を開かせよう」とUCCの上島達司さんが提案されたのをきっかけに、兵庫ヤクルトの阿部泰久さん、神戸サウナの米田篤史さんと私の4人が会合を重ねて、いつの間にか私が実行委員長を務めることになりました。無責任にあれこれと壮大なアイデアを出すだけのつもりだったのですが(笑)。そして、協賛・協力企業を募り、たくさんの支援を頂くことができました。
―どんなコンクールが計画されているのですか。
道満 コンクールを開催するのならば、開港150年の都市・神戸のあらゆる場所をフルート…それだけでなくあらゆるジャンルの音楽で埋め尽くそうという話になりました。3月18日から6月11日までの期間中に、120以上の音楽イベントが、市民文化振興財団で「神戸国際フルート音楽祭」として計画されました。
終盤の5月25日から6月3日に、世界37カ国・1地域から応募のあった240名の中から予選審査を通過した約50名の若きフルーティストが技量を競う「第9回神戸国際フルートコンクール」、6月4日にはポートピアホールで表彰式と披露演奏会、祝賀記念ガラ・コンサート、続いてポートピアホテルで祝賀記念パーティーを開催します。
―最終日は半日以上をかける華やかなイベントですね。
道満 ガラ・コンサート第一部では入賞者の披露演奏を、第二部はピアニストの久元祐子さんが出演されて、MCも務めていただくソプラノ歌手の幸田浩子さんとお祝いの曲で幕開け、さらに岩村力さんが東京から来てくださり、スーパーキッズ・オーケストラの弦楽器に、県立西宮高校音楽科の生徒さんの管楽器と打楽器が加わり、ふだんとはちょっと違う荘厳な演奏を披露します。
パーティーではまず、渡欧中でスケジュールが合わなかった佐渡裕さんにビデオ出演いただきます。第8回神戸国際フルートコンクール優勝者のセバスチャン・ジャコーが駆けつけて開宴の演奏を、さらにはダンスもあり、ジャズ演奏もあります。協賛・協力企業からのお土産もたくさん付きます。当社も「クライマックスソース」を出します。コンサートとパーティーはかなりの値打ちがあり、きっと満足いただけるはずです。
―神戸らしいイベントのひとつになりそうですね。
道満 「ファッション都市・神戸」というけれど、ファッション文化は、おしゃれして出かける『場所』を作ることが先決です。このパーティー案内状にも、「おしゃれしてお越し下さい」と付け加えました。そこで、神戸ファッション協会会長の小田倶義さんに協力いただき、正絹のポケットチーフを作りチケットの代わりにすることになりました。男性はポケットに入れ、女性はバッグなどに結び、当日コンサ―トがスタートする13時30分からパーティーが終わる21時頃まで出入り自由の目印にします。神戸らしくて、お洒落でしょう!
―4年後の第10回開催につながるといいですね。
道満 今回の開催は神戸の文化度が試される初めての試みです。協賛金及びガラ・コンサートとパーティーの収益は神戸市民文化振興基金内に新たに創設したコンクール用基金に全額寄付し、4年後のコンクールまでプールしていただく予定です。
企業や市民みんなの手で支え、盛り上げ、そして存分に楽しみましょう!
道満 雅彦(どうまん まさひこ)
1952年、神戸市生まれ。甲南大学卒業後、オリバーソース代表取締役社長。兵庫県収用委員、神戸経済同友会 副代表幹事、神戸市民文化振興財団 理事、神戸ジャズボーカルクイーンコンテスト審査員