2月号
出会いと学びの旅から Vol.14
スポック博士の子ども博物館
ボストン郊外の「子ども博物館」を訪ねました。この博物館は当時日本で「スポック博士の育児書」(暮しの手帖社刊)としてよく読まれていた本の著者でベンジャミン・スポック博士の長男、マイク・スポック博士が運営している博物館で、子どものためのこのような博物館は世界でもまだここだけにしかないという非常に珍しい博物館でした。この博物館のねらいは、子どもたちが実際に事物に接触し、活動に参加することによって、自身の体験からこどもたちに具体的に物事を学ばせようという点にあります。たとえば、インディアンの生活や文化を学ぼうと思えば、実物大のインディアンの小屋に入り、衣服をまとい、実際の臼でインディアンがするように稲を脱穀してみたりすることができます。見る物触れる物みな好奇心をそそられるような物ばかりなので、どの子どもも夢中になっていました。このほか、エスキモーの生活や、土と藁葺き屋根に住んでいるアフリカの黒人たちの暮らし、古代ギリシャ人の生活や現代日本人の家庭生活などがいろんな小道具やフイルム、音楽などを使って紹介されています。別のコーナーでは数や量の概念が計量器や分銅器を使って遊びながら理解できるように工夫され、世界の地理もパズル形式で考えながら覚えられるようになっていました。
おもしろいのは、この博物館の一角に1メートル以上もある、大きな電話機や目覚まし時計が置いてあり、子どもたちは電話機によじ登ったり、滑り降りたり、目覚まし時計にぶら下がって遊んでいる子もいました。なぜこんな物を作ったのかをスポック博士に尋ねると、ある晩、自分がとても大きな電話機や時計で遊んでいる夢を見て、その夢がとても楽しかったので、こどもたちにもその夢を与えてやりたいと思って作ったということでした。夢といえば、この博物館自体が子どもたちにとってはまさに夢のようなところらしく、当時、年間に12万人もの子どもたちが予約して来場するとのことでした。
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橋本 明