1月号
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神戸の粋な店|神戸 出汁 豚しゃぶ まん乃
プロの技で作り出す
旬の最高級食材たちのマリアージュ
美味い料理とゆっくり寛げる雰囲気で、コースをいただきながらいつもアッという間に楽しい時間が過ぎているのが「まん乃」。
素材選びには妥協がない。基本の出汁(だし)は北海道白口浜産の真昆布の中でも旬の時期に採る「走採(はしりどり)」限定。さらにうま味がピークに達する7年熟成ものだけを使っている。合わせる鰹節と鮪節はシェフRYOさん自身の舌で確かめて選んだとか。豚しゃぶの出汁にはもちろん、意外なところにも隠し味として利いている。〝洋〟のようで〝和〟の上品なうま味を感じさせる極意のひとつのようだ。
スペシャルコースの前菜「香住カニ」には目を見張る。姿はそのままだが、会話を楽しみながら食べてもらおうという盛り付けの心遣いは流石だ。
格別の甘味があり、通常の2倍ともいわれる霜降りながらさっぱりとした「ひょうご雪姫ポーク」、瀬戸内海の天然魚、毎日届く米は五つ星お米マイスターがその時期最も美味しい銘柄を選んで精米、炊くのは味を最大限引き出す伊賀焼釜。器や調理器具、香辛料、調味料まで手を抜かない美味しさへの探求心には頭が下がる。長年の経験で築いた厳しい目をもつ人たちとの信頼関係があればこそできるプロの技だろう。
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北海道産活け鮑のソテーをグラスドビュアンにからめ、熟成パルミジャーノチーズと完熟こしょうを添えて
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左からRYOさん、萬野裕栄さん、山本裕也さん
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華やかな店内を明るいライトが照らす。「すみずみ、調理場の様子までお客様に見てほしい」とRYOさん
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日帰り 活け香住カニ 浜茹で 香箱造り。友人の漁師から、朝一番浜で茹で上げたカニが昼に届く
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神戸 出汁 豚しゃぶ。塊で仕入れ直前にスライスする
ひょうご雪姫ポーク
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鹿児島黒毛和牛のステーキ。1頭から約2キロだけ取れるハネシタを塩麹に漬けて真空で熟成。1時間ほどかけて低温調理後、ローストする
【推薦人】
株式会社淡路屋 代表取締役社長
寺本 督 さん
■神戸 出汁 豚しゃぶ まん乃
神戸市東灘区深江北町2‐12‐13
TEL.070‐2312‐2345
営業 18:00~21:30(L.O.)
定休 日曜日・月2回不定休
https://xn--bbkzb673l.jp/