2018年
1月号
歌川広重「山海見立相撲 摂津有馬山」

兵庫ゆかりの伝説浮世絵 第四十七回

カテゴリ:絵画

中右 瑛

秀吉が愛した有馬温泉

 有馬温泉(神戸市北区有馬町)は神戸三宮より北へ約20キロ、六甲山の北麓にある湯槽谷山(標高801)、灰形山(標高633)、落葉山(標高619)に囲まれた山峡(標高350~500メートル)に位置する。
『日本書紀』や『有馬風土記』によれば、古くから温泉が湧き、湯治場としたのが始まりで、631年、34代舒明天皇(593~641)が3ヶ月間滞在した記録が『日本書紀』にあるという。
 奈良時代には僧・行基(668~749)が温泉寺を建立。安元2年(1176)、後白河法皇と建春門院が行幸。建久3年(1192)、僧・仁西が荒廃した有馬温泉を復興して湯治場の原型を造ったという。行基と仁西の二人の僧が有馬温泉の恩人という。
 以降、湯治場として発展し、多くの著名人が訪れるようになった。足利幕府10代将軍・義植(1466〜1523)は中風の湯治のため滞在したことが『陰徳太平記』に記されているという。
 近世では、豊臣秀吉は9回も有馬を訪れ、豪華な茶会の宴を開いたと伝わる。いまでも太閤と呼ばれる地名や名称が残る。
 姫路と京都を結ぶ街道の経由地の温泉地として栄え、珍しくも金の湯、銀の湯が二種別の特長あり、道後温泉、白浜温泉と並んで日本三古湯のひとつ、と称された。
 江戸時代、温泉地としての番付では、西大関(最高位)にランクされた。
 昭和モダニズムの時代、文豪・谷崎潤一郎の小説『細雪』に有馬温泉が登場し、谷崎は足しげく通ったという。
 歴史と伝統ある有馬は、「天下人・豊臣秀吉が愛した温泉地」がキャッチフレーズ。鼓ヶ滝、マス釣り、桜の花見、紅葉など四季折々の風情を楽しむ観光地として、また京阪神の奥座敷として賑わっている。
 交通は、三宮(JR、阪急、阪神)から地下鉄経由の神戸電鉄、新神戸(新幹線)から高速バス、六甲山越えの六甲有馬ロープウェイなど、各種ある。

歌川広重「山海見立相撲 摂津有馬山」

■中右瑛(なかう・えい)

抽象画家。浮世絵・夢二エッセイスト。1934年生まれ、神戸市在住。行動美術展において奨励賞、新人賞、会友賞、行動美術賞受賞。浮世絵内山賞、半どん現代美術賞、兵庫県文化賞、神戸市文化賞、地域文化功労者文部科学大臣表彰など受賞。現在、行動美術協会会員、国際浮世絵学会常任理事。著書多数。

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