2017年
12月号
メドウミルクの上品な甘さと香りづけのライムがひろがる贅沢なショコラブランムース、ローズで香りづけした苺のソース、ビターなショコラムースが溶けあう、クリスマスだけの繊細な味わい

洋菓子一筋六十余年の集大成:日本の美しい四季を愉しむ洋菓子の店「HIBIKA」

カテゴリ:スイーツ・パン, 神戸

株式会社 エーデルワイス 代表取締役会長
比屋根 毅 さん

エーデルワイス8番目のブランド四季菓子の店「HIBIKA」が阪急百貨店梅田本店にオープンしてスリーシーズン目を迎え注目を集めている。
「新しいにっぽんの洋菓子を伝えたい」と話す比屋根会長にその思いをお聞きした。

―新ブランド「HIBIKA」立ち上げに至った思いは。

洋菓子の道に入って60年以上なりますが、私自身も60回以上、そしてこれまでに百名を超える社員を業務提携先のベルギー・ヴィタメールを中心としたヨーロッパの有名店に技術研修生として派遣してまいりました。そろそろ〝日本の洋菓子文化〟に自信を持っていい時期が来たのではないかと思い、立ち上げたのが日本ならではの季節を味わう新しい洋菓子ブランド「HIBIKA」です。私の洋菓子人生の集大成と位置付けています。

―どんな特徴があるのでしょうか。

四季折々の材料を使い、味はもちろんのこと、見た目の美しさにもこだわった商品を並べております。ブランド名はもちろん、夏は向日葵、涼風、秋は名月、栗ひろい、冬は寒椿、淡雪、小春日和といったように、一つひとつのアイテムも全て日本語でネーミングしています。今はインターネットで情報が世界中に発信される時代ですから、今年9月にフランスを訪ねた際にはパリの老舗百貨店のご担当者から、「ぜひ、このブランドを出店してほしい」と要請を受けました。日本ならではの繊細で奥ゆかしい感性や美意識の表現は、海外の方にも関心をもっていただけるのでしょうね。

―阪急百貨店梅田本店のみの出店ですが、反響はいかがですか。

夏、秋、冬と季節が移り、商品もスリーシーズン目の冬に移りました。決して価格が低いというものではないにもかかわらず大変ご好評を頂いています。ギフトを除く全ての生ケーキは店舗併設の厨房でつくりたてを提供しています。ひとつひとつのケーキは必ず何層かになって幾つかの味を楽しめるようになっていますので、店舗では断面図を陳列商品の横に置いて何が入っているのかが分かるようにしています。ありがたいことに阪急梅田本店に出店して以来、「HIBIKA」の通りが明るく賑わうようになり、隣の弊社別ブランド「ブルトンヌ」もかなり売上アップという嬉しい現象も起き、阪急百貨店様にも喜んで頂いています。

―特に人気のアイテムは。

ケーキ単品はもちろんですが、ケーキギフトがとても好評です。3個と6個用の専用箱を用意しており、きっちりとケーキが収まり動いたり崩れたりしません。ふたを開けたときの感動が〝見て味わう〟和の心に通じるものです。また、和菓子を思わせるような焼き菓子のギフトセットも好評です。クリスマスケーキ「雪灯り」も斬新なデザインの世界で、かなり高価格の商品ですが既にたくさんのご予約を頂いています。

―四季を追って次々と開発するのは大変ですね。

大変ですが、それが楽しいんです。洋菓子の消費需要が高くない夏のオープンとなりました。当初は「四季折々に商品が入れ替わる洋菓子などできるはずがない」などと言われましたが、今では大きな話題になり、業界でも注目され日々評価が高まっています。それだけの技術を持っている私たちだからできることなのです。洋菓子業界に一石を投じることができているのなら嬉しいことだと思っています。

―今後、販売エリアを広げていく予定ですか。

「HIBIKA」は販売開始までにじっくり時間をかけてきましたので、今後も焦らずゆっくりと育てていきたいと思っています。「ヴィタメール」も準備に時間をかけ、販売開始後も阪神梅田本店だけで10年、その間にも社員を次々にベルギーへと送り、勉強をさせました。

―満を持して出店となれば、やはりまず東京ですか。

私にとっては、「HIBIKA」を新開発することで社員の意識が一段と高まったことが何よりも嬉しいことです。技術者が不足している状況下で、これだけの技術を持った洋菓子屋さんは関東にもないと自信を持って言えます。既に東京の老舗百貨店様にも興味を持って頂いていますが、私たちが納得いくスペースを確保して、納得いく販売方法を取れる条件を提示頂けるのであれば出店をしようと考えています。

―今後は集大成としての「HIBIKA」に集中していくのですね。

もちろんです。一方、現在、本社工場4階に所蔵している約5千点にのぼるヨーロッパ伝統の道具や器具、資料、書物などを全て寄贈し、洋菓子発祥の地・神戸にミュージアムを造り、人材育成のための学校を併設する。そして、その道具を使い〝神戸のこのお店〟にしかないお菓子を作って販売する。もう一つの、私の洋菓子人生集大成の仕事を必ずやり遂げたいと考え、既に準備を始めています。

―私たちも楽しみにしています。ぜひよろしくお願いいたします。

メドウミルクの上品な甘さと香りづけのライムがひろがる贅沢なショコラブランムース、ローズで香りづけした苺のソース、ビターなショコラムースが溶けあう、クリスマスだけの繊細な味わい

「向日葵」。レモンのタルト

「林檎」。ポム・ルージュ

「冬萌」。ピスタチオとベリーのオペラ

「冬蜜柑」。みかんとショコラのムース

「淡雪」。柚子のレアチーズムース

「冬苺」。いちごのショートケーキ


《お問い合わせ》
TEL.0120-004280(受付時間/9:00〜17:00) 尼崎市尾浜町1-3-22
【SHOP】
阪急うめだ本店 地下1階 TEL:06-6313-7685 大阪市北区角田町8-7 www.hi-bi-ka.com


比屋根 毅(ひやね つよし)

1937年、沖縄県石垣市生まれ。1966年、株式会社エーデルワイス創業。2002年、同社代表取締役会長および一般社団法人兵庫県洋菓子協会会長。2004年、日本洋菓子協会連合会副会長に就任。2014年9月、株式会社エーデルワイス沖縄設立。全国菓子技術コンテスト内閣総理大臣賞はじめ、国内外での受賞多数

〈2017年12月号〉
<特集>“珠玉”の神戸ブランド ―扉
ハイバックチェア|永田良介商店
ビスポークシューズ|イルクアドリフォリオ
ウェディングドレス「極上」シリーズ|ウエディングサロン イノウエ
マイスターコレクション|マイスター大学堂
紳士帽子|マキシン
かけがえのない生命(いのち)をジュエリーで表現 『ギメルの四季』Vol.4
世界一のクリスマスツリーに世界一の“願い”を込めて
生きたクリスマスツリーと「輝けるいのち」について考えたい
世界中の音楽をレコードで楽しむ|レコードバー ブラック
全国791カ所ライブがここから始まる:「クラブ月世界」ファイナルステージ
洋菓子一筋六十余年の集大成:日本の美しい四季を愉しむ洋菓子の店「HIBIKA」
メルセデス・ベンツで旅するドイツ in KOBE Vol.4
エル ラコ デン タケウチ|神戸の粋な店
連載 神戸秘話 ⑫ 花の心を知り、自分の心とす 佳生流二代目家元 西村雲華
(株)ARIGATO-CHAN 坂野 雅さんに聞く 神戸へのありがとう、神戸愛に…
音楽が似合う街、神戸 ―扉
いつもどこかで音楽が流れている路地裏文化|ブラッスリー ボンマリアージュ
筋金入りの〝音好き〟が集まる|神戸ロバアタ商會
パリの路地裏を切り取ったような空間|ブラッスリーロバボン
音楽と共に気楽に時間を過ごせる空間|コラソン
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