4月号
草葉達也の神戸物語
ゲスト: 桂 福丸さん(落語家)
灘中、灘高といえば日本でも屈指の進学校。そこを卒業して合格した大学が、これまた超難関の京都大学。古い言葉でいえば「末は博士か大臣か」。就職しても大企業間違いなしの、この素晴らしい学歴を持って選んだ職業が落語家。そんな親泣かせの方が、今回対談させていただいた神戸出身の桂福丸さんです。
草葉 神戸はどちらですか?
福丸 東灘区ですね。厳密には住吉川沿いの西側なので… まぁ東灘区ですね(笑)。
草葉 学校も?
福丸 本山第二小学校で中高が私学の灘ですから、ずっと東灘区です。父方の家が三宮なので、ずーっと神戸です(笑)。
草葉 今は大阪とお聞きしましたが、子供の時の思い出みたいなものは?
福丸 そうですねー 家から山もすぐでしたし、住吉川を歩いていけば海もありますし、まぁそんなのが普通と思っていましたから、岡本の梅林で遊んだり、住吉川に水がまだ沢山流れていましたから泳いだり、あと意外とあの辺りは『だんじり』が多く…。
草葉 そうですよね。『だんじり』というと大阪の岸和田が有名で、あと姫路にあるかなーぐらいと思っていましたが、東灘は多いですよね?
福丸 そうなんですよ。町名が変わるごとに一台あるという感じですね。大人ではなく子どもが引いて行くもので、終わるとお菓子がもらえて、子どもの時は毎年参加していましたね。
草葉 灘中・灘高ということですが、やはり勉強の日々という感じでしたか?
福丸 そうでもないですよ。部活もしていましたし。
草葉 その後、京大に入られたのが、また何で落語家に(笑)
福丸 小学校の時から落語は好きでしたね。子どもの本で、とんち話やなぞなぞみたいなものがありますよね? その流れで落語の本とかもありまして、好きで読んでいるうちに、テレビで『枝雀寄席』なんかを見るようになりました。
草葉 本格的にのめり込んだのは?
福丸 中高は全く見てないです。神戸に落語をしているところがあることも知りませんでしたし、親も全く見ないですから、大学に入ってからですね。
草葉 それで落語家を目指して。
福丸 それがまだまだ落語になるということは、その時点ではないです(笑) 落語に本腰を入れたのは、ずっと後です。これ長いですよ(笑)
草葉 (笑)神戸には時々は戻られていますか?
福丸 はい実家がありますので、墓参り行くとか(笑)
草葉 思い出の場所とかありますか? 食べ物屋とか。
福丸 学生時代に、三宮のセンター街の地下にあるカツ丼の『吉兵衛』によく行きました。まだ椅子が四つぐらいの時です。
草葉 今は大変なことになっていますよね? 店も大きくなっていますし、チェーン店ができたり。
福丸 前に行った時は昔から知っている、そこの大将が社長って呼ばれていて、えー!社長って!(笑)
お話をしていると、やはり頭のいい人だと感じました。落語家になって6年。神戸ではパルモア寄席などを頑張って続けていらっしゃいます。今後の活躍が期待されます!
4月20日(土)
「モーヴと落語の出会い」
出演:桂福丸
魚崎のレストランモーヴで、お料理と落語2席をお楽しみください。
◆日時 4月20日(土) 11時〜(開場10時30分)
◆会費 3000円(税込)
◆会場・ご予約・お問い合わせ先
レストランモーヴ TEL.078-452-2313
神戸市東灘区魚崎北町4-14-10
<阪神魚崎駅>
※ご予約先着順・36名様限定
桂 福丸(かつら ふくまる)
1978年生まれ。名門の灘中灘高、そして京都大学法学部卒業。2007年2月に桂福團治(4代目)に入門。
名付け親は作家の故・藤本義一氏。
公式ブログ http://mscafe.cocolog-nifty.com/
くさば たつや
神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員、日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員、大阪大学文学部研究科
阪南大学国際コミュニケーション学部非常勤講師
ひょうご老舗会実行委員長