5月号
草葉達也の神戸物語
ゲスト:いいむろなおきさん
(マイム俳優)
いいむろさんは、阪神間に拠点を置いて活動されている日本のパントマイムの第一人者。神戸でもマイム教室やワークショップもされています。
草葉 お生まれは?
いいむろ 書かれているものによって、いろいろと違うのですが(笑) 生まれは東京なんですよ。それで二歳ぐらいのときに両親と関西に引っ越してきました。
草葉 じゃもう関西人ですね?
いいむろ そうですね。二歳で尼崎に引っ越ししてきて、十九歳からフランスに渡って二十六歳まで向こうにいました。
草葉 パントマイムとの出会いは?
いいむろ 小学校の四年生ぐらいに、テレビでパントマイムを見てマネしているうちに好きになった感じですね。実は両親が人形劇団を今もやっていて、子どもの頃から舞台に接する機会が多く、舞台を観るのは日常生活だったんですよ。
草葉 人形劇? 私も人形劇大好きなんですよ。子どもの頃にNHKの教育テレビなんかをよく見ました。『たのしい教室』とか…。
いいむろ それはうちの親がやっていますね(笑)
草葉 えー!
いいむろ そうなんですよ、NHKの大阪製作の番組はたくさん関わっています、ポッケを作ったのも父です。
草葉 そうなんですか! 私は若い頃に漫才作家をしていたのですが、大阪のNHKで当時やっていた『たのしい教室』とか、よくスタジオに見に行きましたよ。
いいむろ そのスタジオに両親はいましたね。
草葉 それはびっくりです。では子どもの頃から舞台が周りに普通にあったんですね。
いいむろ そうです。ですから、いつの間にか舞台に関わる仕事がしたいと思って、高校は宝塚北高校に行きました。そこでクラッシックバレエなど体を動かすことを勉強しているうちに、ダンスとかおもしろいなーと思いました。役者をやろうとは思っていませんでしたが、ダンス面白いなーと思った時に、昔遊びでやっていたパントマイムを思い出して、もしかしてマイムというものが自分に合っているかもと思いました。
草葉 そこで再認識したわけですね。
いいむろ はい。丁度その時に世界的なパントマイムのマルセル・マルソーが来日にしていて、父が『パントマイムやるならマルセル・マルソー観たほうがいいよ』と勧めてくれ、こんなお爺さんに何ができるのだろと思いながら観に行って、これは凄いな! 僕が思っていたマイムと全く違うと痛感しました。それでフランスに渡って、マルソーの学校に入りました。
草葉 それは凄いですね。マルセル・マルソーの学校なんて、世界中から入りたくて来るでしょう?
いいむろ ですね。入るのも出るのも難しいです(笑)
草葉 そんな、いいむろさんとの神戸の思い出は?
いいむろ たくさんありますよ、三宮はよく知っていますし、バイトも神戸でしてました。
草葉 思い出の場所は?
いいむろ「センター街の地下とか(笑) あと高架下もよく行きましたねー。首が二つある山羊を見て(笑) あとやはり新開地のアートヴィレッジには大変お世話になっているので、新開地辺りも好きです。
草葉 神戸はどんなイメージですか?
いいむろ 言い尽くされていると思いますが、お洒落で山があって海があって、いい風がいつも吹いている感じですね。
<Phantom Form,Invisible Move>試演会
【構成・振付・出演】いいむろなおき
【日程】2014年6月21日・22日(日)
【会場】新開地・神戸アートビレッジセンター KAVCシアター
【お問い合せ】ArCairo(アルカイロ) 080-5496-7555
arcairo14@gmail.com
いいむろなおき
マイム俳優・演出家・振付家
兵庫県立宝塚北高等学校演劇科卒業。1991年渡仏。パリ市マルセル・マルソー国際マイム学院入学。1994年同学院卒業後、ニデルメイエ国立音楽院コンテンポラリーダンス科最上級クラス入学。 翌年、審査員全員一致による金賞で首席卒業。フランスと日本でマイム、パントマイム、ダンスなどの公演活動やワークショップを行う。1998年、拠点をフランスから日本に移し、「いいむろなおきマイムカンパニー」の名称で活動開始。
くさば たつや
神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員、日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員、大阪大学文学部研究科
阪南大学国際コミュニケーション学部非常勤講師
ひょうご老舗会実行委員長