7月号
輝く女性Ⅱ Vol.2 株式会社 LiSA LiSA 代表取締役社長 貴田 加野さん
インタビュアー・三好 万記子
人気料理サロン「ターブルドール」代表の三好万記子さんがホスト役となって、
輝いている阪神間在住の女性にお話を伺うシリーズ。
おもてなし上手な三好さんとの対談から、どんなオイシイお話が飛び出すことでしょう。
株式会社 LiSA LiSA 代表取締役社長 貴田加野さん
私の特技はすぐに忘れることが出来ること。
くよくよと悩み、とどまっている時間はもったいない!!
自社カタログ通信販売による大人の女性のためのファッションブランド「LiSA LiSA」の
カリスマ社長・貴田加野さん。 現在は芦屋に店舗を構え、テレビショッピングや雑誌などで、
神戸・芦屋流のライフスタイルブランドを展開されています。
神戸のオシャレ番長(笑)として知られる貴田さん。私の料理教室に通う生徒さんのなかにもファンがとっても多いのですが、お洒落に目覚められたのはいつ頃ですか。
祖母も母もファッションが大好きという、服好きな家庭で生まれ育ったんです。ただし小さい頃からシンプルな洋服しか着ていなかったですね。リボンやフリル、赤やピンクの服を着た思い出が全くない(笑)。ネイビーやグレー、モノトーンが多かったです。
小さな頃から既にベーシックな神戸スタイルを貫いておられたのですね。ファッションの世界で働かれるようになったきっかけは?
20代半ば、神戸のアパレル会社で働いたのが最初です。バブル期に突入した頃でDCブランド全盛期。軽い気持ちで始めたアルバイトから正社員になり、そのうちインポートが大ブレイク。ミラノコレクションや買い付けにイタリアへ出張に行かせてもらうようになり、バリバリ働いていました。バブル崩壊の影響でその会社はなくなってしまうのですが、知人が営むイタリアンジュエリーの会社に転職。30歳で結婚してからもずっと働いていましたね。娘を出産した34歳の時に阪神・淡路大震災が起こり、それを機に家庭に入ることにしました。憧れていた専業主婦になったのです。
まぁ、専業主婦に憧れていたんですか!
はい、ところが思い描いていた世界と何か違う。専業主婦に幸せを見出せず(笑)、もう一度、社会に出て働きたいなと。当時の私はなぜか、女性は40才代の10年が勝負、50才代になってしまうと何をするにも厳しいと思い込んでいて、とても焦っていました。何の仕事をするのか…今までやってきたことしかできないし、セレクトショップをすると自分が縛られる…娘との時間も大切にしたい…、色々考えた結果、芦屋にワンルームマンションを借りてサロンのような感覚で始めようと決め、娘の名前からつけたLiSA LiSAというブランドを立ち上げたんです。ちょうど、40歳の時でした。
今はカタログを中心とした通信販売がビジネスの主軸ですよね。
昔、読者モデルとして登場していたファッション雑誌のライターさんからのご縁で、その雑誌でLiSA LiSAの商品を紹介していただけるチャンスをいただきました。すると、雑誌内でモデルさんが着用している商品を欲しいと電話がかかってきたんです。まだネットや携帯電話が普及していない時代でしたから、遠方の方から雑誌を見て注文をいただけるという事実に驚きました。やがて北海道や九州など、全国各地にお客さまが増えてきて、それならばカタログを作っちゃおう!と思い、それが通信販売の始まりとなりました。
LiSA LiSAを立ち上げられて17年。仕事のモチベーションはどのようにキープされているのでしょう。
好きなことを仕事にしているので、いつも楽しみながら仕事をしています。それに、私は失敗してもすぐに忘れることにしているんです。くよくよと悩み、とどまっている時間はもったいない!特に50歳を超えてからは辛いことがあっても、それは何かを教えてくれるチャンスと思って逆に感謝できるようになりました。
年齢を重ねるごとにポジティブシンキング度合いが高まってきたと。逆に守り続けておられることは?
年賀状や納品書には必ず手書きのメッセージを添えるなど、アナログな部分を大事にしています。お客様とのつながりが第一なので、ご注文など、できる限り私が対応するよう心がけています。
貴田さんのコーディネートは皆の憧れです。今夏、お洒落に変身したいと願っておられる読者の方に、大人の女性をきれいに見せる服選びのコツを教えてください。
大切なことは年齢にふさわしい服選びと、清潔感ですね。例えば、同じサイズの服でも若い人向けの服は加齢でたるんだ体型をカバーすることはできません。だから娘さん世代の服を着ると、かえって痛いおばさんコーデになってしまう。まずやるべきことは自分の体型を把握すること。そしてどこを隠すとキレイに見えるかを知ること。よくテレビ番組でキレイになりたい女性が大変身する場面でご家族が感動のあまり号泣されますよね。キレイになるということは、それぐらい凄いパワーがあるんです。
確かに泣くほどの感動って、そうそうないですものね。
360度、見られていることを意識して、“あの人、背中の贅肉丸見え!”とか(笑)、人のフリ見て我がフリを直すというのも、ひとつの手ですね。
神戸・阪神間にお住まいの方は決して高価なものを身につけているのではなく、コストと質のバランスの良さを上手に取り入れていらっしゃる方が多いですよね。
キレイに見せるには、まず健康であることがベース。そして、ファッションを楽しむことが大事です。私の自慢は元気なこと。9年続けている自分のブログでも、多くの方から「いつも元気をもらっています!」というメッセージをいただき、それがまた私の元気の源になっています。いろいろな方のお力添えがあって今の私があり、これからはお返しをしていく年代になりました。これからも多くの人に元気になってもらい、憧れられる存在であり続けられたらなと思っています。
芦屋が生んだ“奇跡”の人、貴田さん。年齢に関係なく輝き続ける“輝積”の人として、いつまでも私たちの憧れの的であり続けてください。
三好さんからの質問コーナー
Q.ハマっているグルメや気になるお店はありますか?
A.「嘉門 芦屋コリアン亭」のキムチとタレです。
ヘビロテで通う大好きな韓国料理店のキムチが今春「キムチグランプリ」で準優勝を獲得。また、オリジナルのタレは、オーガニックシュガーに化学調味料無添加。何のお料理にも使っちゃってます。美味しくてヘルシーなことが特徴です!
貴田 加野(きだ かの)
芦屋生まれ、芦屋育ち。57歳。 2001年にカタログを中心とした通信販売による大人の女性のためのファッションブランド「LiSA LiSA」をスタート。自社カタログやTVショッピングなどで、ファッションアイテムからビューティアイテムに至るまで、神戸・芦屋流のオシャレをトータルにプロデュースするライフスタイルブランドを展開。
三好 万記子(みよし まきこ)
株式会社ターブルドール 代表取締役
神戸女学院大学卒。パリに3年間滞在中、フランス料理を学ぶ。ル・コルドン・ブルーにて料理ディプロマ、リッツ・エスコフィエにてお菓子ディプロマを修得。帰国後、西宮市・夙川にて料理サロン「Table d’or」主宰。また出張料理人としてケータリングも展開、料理はもちろんディスプレイを含むトータルコーディネートに定評あり。企業へのメニュー開発、レシピ提供など、「食」を幅広くプロデュース。二児の母。