2018年
6月号
6月号
選ばれし地に新たなライトの伝説を 平尾工務店芦屋プロジェクト 分譲用モデルハウス&賃貸用マンション
この秋から芦屋でも平尾工務店のプロジェクトが始動する。
分譲用モデルは少し明るめのカラーが六甲の緑に映え、ライトらしい水平のラインが伸びやかさを演出。装飾的な要素もライトの宝石箱と評される「メイハウス」から受け継いでいるが、重厚な石造からは脱却し進化、窓枠などにそのエスプリをより軽快に表現する。特に2階は窓を多く設け、広がりのある外観に仕上げるとともに、芦屋の豊かな自然がまるで室内にまで入ってくるような開放感を奏でる。
室内は空間の抑揚と有機的な連続性というライトの哲学をそのままに、何気ない意匠が家の格の違いをささやく。
賃貸用の集合住宅は「帝国ホテル」の意匠のみならず、ホテルらしいゴージャスさも再現。わずか4邸でそれぞれが120㎡以上、しかもすべて海を望むという贅沢な構成で、各邸ごとコンセプトを設定する。
また、ライフスタイルまでデザインを試み、例えば冷蔵機能の付いた宅配ボックスを完備することで不在時も食材や料理を受け取れるから、ルームサービス気分でデリバリーを利用できるだろう。家事サポートによる女性の社会進出支援も視野に入れ、時代のニーズに応える。
ロケーションは厳しい規制により環境が守られた閑静な山手の一角。代表作であるヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)にほど近い場所で、自身のDNAを受け継ぐ新たな住まいが誕生することに、ライトも空で満足げに微笑んでいることだろう。