2018年
6月号
片山ガバナー(左)と滝川ガバナー(右)

大阪・兵庫、地区同士で協力し、長期スパンの活動を|国際ロータリー

カテゴリ:神戸, 経済人

国際ロータリー第2660地区 2017-2018年度ガバナー
片山 勉 さん(写真左)
国際ロータリー第2680地区 2017-2018年度ガバナー
瀧川 好庸 さん(写真右)

2660と2680、国際ロータリーお隣同士の地区のガバナー、片山勉さんと瀧川好庸さん。
横のつながりをもっと深めていこうというお二人に話し合っていただきました。

100年の歴史をもつ甲南学園と瀧川学園

瀧川 甲南高校では、第2680地区のパストガバナー、加藤隆久生田神社名誉宮司の教え子だそうですね。「最も印象に残っている学年や」といつも話しておられますよ。
片山 未だに仲間の団結力がとても強くて声がかかるとすぐ集まってきて、みんな奥さんも一緒に楽しくやっています。私たちが高3の時、加藤先生が結婚されたのですが、毎晩、「ご飯を食べさせろ」と押しかけ、煙たがられ、印象に残っているというよりは、最悪な学年だったのではないでしょうか(笑)。
瀧川 片山さんがガバナーになられた時も、「教え子がガバナーになった」と大変喜んでおられましたよ。
片山 そうですか?!よかった(笑)。
片山 私自身は甲南学園創立者の平生釟三郎先生との接点はなかったのですが、先生は大阪ロータリーのチャーターメンバーです。当時会員同士があだ名で呼び合っていたそうですが、「平生ラッパ」と呼ばれるほど、とても議論が好きだったと聞いています。今でも平生先生の理念「人物教育」を守り実践しています。甲南の良さは、これに尽きると思います。
瀧川 創立から100年前後の歴史をもつ学校は兵庫県には多いですね。人を育てるということの重要性を感じておられた方が当時、多くおられたのでしょうね。瀧川学園の創始者・瀧川辨三もマッチ産業で資産を築き、最終的に育英事業が必要と感じ、ちょうどそのころ倒産しかけた中学を引き受けました。甲南学園創始者の平生釟三郎先生も実業界から育英事業へと転身されましたね。
片山 平生先生は、裕福な家庭では育っておらず、奨学金を受けて旧制高校を卒業しておられます。自分は恩返しをしなくてはいけないという思いも強くもっておられたのでしょうね。私費で学生たちの支援をされていたと聞いています。

地区内公式訪問を終えて感じたこと

片山 大阪府大和川以北地域、大阪市内を含め82クラブで構成されているのが2660地区です。2680地区に比べればそれほど広いエリアをカバーしているわけではないですね。
瀧川 兵庫県は広いですからね。北は日本海、南は淡路島まで、東は尼崎、西は赤穂までをカバーしています。神戸からなら、どのエリアへも行きやすいのでまだ助かっています。
片山 広いエリアを全部回られたのですね。印象に残っているのは?
瀧川 73のクラブは同じロータリーでも、それぞれに違うということを強く感じました。神戸や尼崎、姫路など大きなクラブだけでなく、県内の中小都市のクラブ例会がどこも印象に残っています。ホテルオークラで開いている神戸西の例会がごく普通だと思っていたのですが、ホテルがない地域もあり、商工会議所や企業の会議室を借り、会場づくりから自分たちの手でやるんです。テーブルクロスを広げ、椅子を並べ、仕出し弁当を配り、終わったら片付けて…こうやって世話をしているのが地元の有力者なのです。非常に感銘を受けました。
片山 私も全く同じように感じました。私が所属する大阪東も大規模ですからホテルで例会を開いています。ところが郊外へ行くと商工会議所や農業会館などを借り、手づくりの例会を開き、親睦も奉仕活動も非常に熱心に取り組んでおられます。ところが残念なことに会員は減少しています。今後どうやって活性化していけばいいのか考えていかなくてはいけないと感じました。
瀧川 地元との結びつきが非常に強く、ロータリーのもうひとつの原点を見るような気がしました。正直、当初は「遠いなあ」などと思いながら出向いていたのですが(笑)、次第に「次はどんな例会だろう」と楽しみになってきました。どちらが本当のロータリーの姿なのだろうかと考えさせられ、ロータリー観が変わりましたね。

1年間、力を入れたことと主な活動

片山 「魅力のある、元気のある」は当たり前ですが、さらに「個性のあるクラブに」をキャッチフレーズにして、「どんなクラブでありたいか?」という質問に誰もが答えられるように、中期計画を立ててほしいと訴えてきました。
瀧川 私は「みんなで楽しもう」を前面に出し、地区大会でもテーマとして掲げました。クラブ会員同士の親睦の中から地域との共生、奉仕活動や国際的な活動が生まれてきます。ワイワイ楽しくやりながら、いざというときには団結しよう、です。大きな活動としては、故今井鎮雄会員が開設した青少年キャンプサイトで行う40年の歴史をもつ青少年指導者育成プログラム「RYLA」の第10回全国RYLA研修会が今年1月に、3月には2670地区と2680地区共催で第40回RYLAセミナーが、5月にはJAPAN RYLAセミナーが開催されました。
片山 7月から2660地区の分区が変わります。市内型と郊外型が交流して活性化を図ろうというものです。交流には若いクラブ員に中心になってもらわなくてはいけません。そこで分区ごとにフレッシュロータリー研修交流会をスタートしました。続けてこそ効果が現れるものですから、次年度のガバナーエレクト、次々年度のガバナーノミニーにも相談したところ、続けてくれるということなので動き始めています。
瀧川 斬新なことをいろいろ始められますね。兵庫ではそういった発想は出てこないです。羨ましい。
片山 2期前の立野ガバナーが立案されましたので、まる3年かかっています。みんなに理解してもらうためにガバナーが引き継ぎながら、時間をかけ積極的に取り組んでいます。
瀧川 大阪はガバナー事務所も確か、十数年同じ場所で同じメンバーで運営されていますね。兵庫県ではガバナーごとに事務所が変わります。もったいないことです。そこでとりあえず、直前ガバナー、私で引き継ぐこととし、次期以降ガバナー事務所は固定化の方向になりました。

これからのロータリークラブのあり方

瀧川 ロータリーが何をやっているのかをアピールしなくてはいけませんね。例えば、米山記念奨学会などは日本で一番大きな規模です。ロータリー内部では知っていても、外へは発信していません。
片山 そうですね、自分たちが良いことをやっていると知ってもらわなくては、次のやる気につながりませんね。
瀧川 PRにもっとマスコミを活用するのもいいと思います。豊岡ではインターアクトクラブの活動を神戸新聞の地方版に載せています。神戸新聞さんにも協力をお願いするのもひとつの方法だと思うのですが…。そういう意味で、『神戸っ子』さんのお陰で、少しずつ世間に知っていただけるようになってきました(笑)。
片山 大阪にはそういった広報手段がありません。今のところ、各クラブから広報したいことがあれば出してもらい、地区の広報委員会からマスコミに出すということはやっています。今年度からそのひな型を作り、各クラブに紹介しています。イベントでテレビ局が来る時などは、大きなバックパネルを貸し出しています。必ず映りますから、かなり活用されています。

ロータリークラブに入って良かったと思うこと

片山 公式訪問などでも「ロータリーに入って良かったと思うことは?」とよく聞かれます。私が答えるのは、信頼できる仲間、尊敬できる先輩と出会えたこと、一人でできないことでもロータリーならできる、奉仕活動を通じて恵まれない人たちから笑顔をもらえる。「この4つを経験しないと損します!」と言えるほど素晴らしいことだと思います。
瀧川 気が置けない仲間ができる。いろいろな業種の方がいるので他の世界を知ることができて、物の考え方が広くなり、自分の幅が広がりますね。
片山 私企業でありながら公益を追求しなければならない企業の方もたくさんおられます。普段はできないお話をロータリーでならできます。自分とは違ったものの見方を知り、自分の引き出しが増えてきます。
瀧川 奉仕活動や青少年活動で若い人たちを見ていると、日に日に目が輝いてきます。自分や仲間が育つのと同時に若い人たちも育てていけるのがロータリーだと実感しますね。
片山 次年度は兵庫、大阪南部・和歌山、大阪北部、四国の4地区合同委員会を開催し、交流していく試みが始まります。それによって何か気づくところがあるだろうと期待しています。
瀧川 今までロータリーはクラブ単位での活動だけで、同じ地区でさえ横のつながりがなかったですから、いい試みだと思います。国際ロータリーは最終的に世界平和を目指し、貧困地域への援助、ポリオの撲滅などさまざまな大きなプロジェクトを進めています。ロータリー財団も今までのような単年度ではなく、長期スパンでの活動を推奨しています。継続することが大切。そのためにも地区同士の協力も今後は必須だと考えています。
片山 お隣同士ですから、今後ともよろしくお願いいたします。
瀧川 こちらこそよろしくお願いいたします。

4月16日、国際ロータリー
第2660地区 事務局にて

第2660地区は、大阪府北部にある82クラブで組織されている

国際ロータリー第2670地区・2680地区が毎年共同で開催している、RYLAセミナー(青少年指導者養成セミナー)

小豆島・余島で開催されるRYLAセミナー。2018年には40周年を迎えた

日本赤十字血液センターへの献血を呼びかけた。片山ガバナー(中央)

2017年、大阪鶴見ロータリークラブが30年にわたり協力している鶴見区民まつりにて

片山 勉(かたやま つとむ)

1944年生まれ。1967年、甲南大学経済学部卒業。同年、同光貿易株式会社(現・㈱DOKO)入社。1970年、紀伊産業株式会社入社。取締役・代表取締役社長を経て、2016年に取締役会長に就任、現在に至る。また、1997年より学校法人甲南学園理事。1994年、大阪東ロータリークラブ入会。副会長、会長エレクトを経て2006-07年度の会長を務めた

瀧川 好庸(たきかわ よしのぶ)

1942年、兵庫県生まれ。1965年、上智大学外国語学部卒業。聖心女子大学非常勤講師、上智大学文学部教授を経て、2014年、学校法人瀧川学園理事長に就任。2017年より、公益財団法人兵庫県私学振興協会理事長。1991年、神戸西ロータリークラブ入会。1998-99年度に同クラブ幹事、2005-06年度には会長を務めた

〈2018年6月号〉
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