7月号
harmony(はーもにぃ) Vol.5 ユーモアを臨床の場に
ユーモア療法、ユーモアセラピーはまだ日本ではそれほど広がっていないようですが、欧米諸国ではいろんな分野で実施されているようです。たとえば、ホスピス、老人ホーム、アルコール依存症の治療センター、公立学校の保健室、ICUと呼ばれる病院の治療室、小児病棟、ホームレスの援助施設など、辛い状況の中で暮らしている人たちに、辛さを笑いで吹き飛ばそう、という願いがユーモア療法には込められている、と先月号でご紹介したホスピス医の柏木哲夫さんは考えています。
最近日本でも、笑いがもたらす健康面での効果がいろんな調査で証明されてきています。笑うと人間の体内にあるリンパ球の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞が活性化し、ガンや感染症にかかりにくくなると言われています。笑うと免疫力が高まるだけでなく、身体にさまざまな良い効果をあたえるそうです。たとえば、笑いによって脳波の中のアルファ波が増えて脳がリラックスし、記憶力が高まる、血行が促進される、自律神経のバランスが整う、内臓や筋力のアップ、笑うと脳内ホルモンであるエンドルフィンが分泌されて幸福感をもたらせたり、モルヒネの数倍の鎮静作用で痛みを軽減させる、など。
大笑いをしなくても「作り笑い」をするだけでもNK細胞を活性化させる効果があるそうです。それは口元の両側を上げて笑顔を作ると頬の「笑筋」が上がり脳が笑っていると勘違いするらしいのです。
ガンなどで治療を受けている患者さんに積極的にユーモア療法を取り入れて、漫才を聞かせたり、吉本新喜劇に連れて行ったり、病院の中でユーモアスピーチ大会を開いたりして、日ごろからユーモアに触れる機会を作っている病院もあります。上智大学のアルフォン・デーケン先生は「ユーモアとは愛の現実的な表現である」と定義づけています。柏木先生は日々の臨床の中でユーモアというものを愛の現実的な表現としてお互いに分かち合うことが出来れば非常にいい信頼関係が出来るのではないか、と考えています。ちなみに柏木先生は自身で川柳を作り、新聞にも投稿しているそうです。
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橋本 明
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