2018年
1月号
1月号
輝き放つ「美・KOBE」|10年後の神戸を語る
2018年→2028年
高士 薫 <株式会社神戸新聞社 代表取締役社長>
1988年、98年、2008年、18年、そして2028年。88年は宮崎市政の最終盤。翌年から笹山市政となり、95年の惨禍を経て、矢田市政、そして久元市政へとバトンは引き継がれた。81年の神戸博「ポートピア81」で都市の成熟期を迎え、95年に壊滅的な打撃を受け、ほぼ20年をかけて蘇り、さて、これからである。神戸はいま、再びの、そして新たな成熟へと向かう。
久元市長による陣頭指揮のもと、ほぼ見通せている将来がある。まず三宮が一変する。駅前の交差点は車でなく人々のにぎわいであふれ、大阪湾岸道路や新名神など道路網も整備される。三空港の一体運用により、神戸空港もより高度に活用されているに違いない。
課題は都市の雇用力だろう。重厚長大産業は先端化し、酒造を含む豊かな食品産業群は神戸の個性としてより魅力を放ち、靴を含むファッション産業も輝きを増している。まさに「美・KOBE」である。実現可能性の高いこうした期待に加えて、スタートアップがどれほど育っているか。楽しみな、やりがいのある10年になることだろう。
神戸新聞社は今年2月11日、創刊120周年を迎える。神戸開港150年、県政150年に遅れること30年だ。2028年は130周年。さて、兵庫・神戸の基幹メディアとしてどう変貌しているか。これは私どもの宿題である。
高士 薫(たかし かおる)
株式会社神戸新聞社
代表取締役社長