2017年
12月号
12月号
かいや焼通し蒲鉾|貝住彌兵衛
文政9年創業 焼通し蒲鉾
「かいや」の一日は、鱧を丁寧に洗う作業から始まる。ここで、出来上がりの香りと品格に違いが現れるという。文政9年創業以来、製法を守り、鱧の身をすり身にし、板に塗りつけ、焼く。材料は鱧の他に塩、砂糖、卵白、もち米で造った本みりん。お昼が近づくにつれ、作業場を兼ねた店内は、みりんの甘めで深い香りが広がる。その間、店内は変わらず静かにただ時が流れる。仕事の丁寧さと誠実さは焼きあがった蒲鉾の姿かたちを見れば一目瞭然。
場所は平清盛ゆかりのまち。平安時代、清盛は大輪田泊と呼ばれたこの辺りで宋との貿易を行った。時代を超えて受け継がれる「かいや焼通し蒲鉾」。食通に愛されるこの逸品は神戸から全国へ。
貝住彌兵衛
神戸市兵庫区本町1-4-6
電話 078-671-5647