2017年
12月号
12月号
エル ラコ デン タケウチ|神戸の粋な店
今宵、星の数より輝く
至宝スパニッシュへ
昔仕事で訪れた地中海に面した港町アリカンテ。地元の人たちに絶大な人気を誇るレストラン「ノウマノリン」に滞在中毎晩通うほど夢中になった。ここで初めて旨いスペイン料理を知った。
その後神戸に「エル ラコ デン タケウチ」が開店した。カタルーニャ、海&山バスクなどスペイン各地を武者修行した、芸大出身・インテリア専攻の変わり種シェフ武内敦信の「ノウマノリン」を凌駕する料理に感激した。因みに巨匠ジョエル・ロブションは「ラトリエ」ブランドの開業にあたり「ノウマノリン」からインスピレーションを受けたと語った。
それから12年、武内の職人技は更なる深化を遂げ、今や神戸料理界では孤高の存在になった感がある。しかし厨房を覗くと昔も今も、お皿一つひとつに情熱と愛情を込めている姿がそこにある。常に謙虚で、でも信念を持って。万が一、肉の火入れに納得が行かない時、彼は一から焼き直す。完璧な出来上がり以外をお皿に盛りつけることはない。だから時間に制約のある人は不向きである。何が旨い?どれがおススメ?それは愚問。その日その時、最高の食材を最高の状態で供してくれるのだから黙って待っていればよい。
ソムリエの山本がセレクトするスパニッシュワインも最高だ。さて次回は何を食べさせてくれるだろうか。考えただけでも涎が出てくる。料理職人武内敦信、これまでも、そしてこれからも神戸の至宝だ。
■エル ラコ デン タケウチ
神戸市中央区下山手通2-13-13 リンクスビル1F
TEL.078-391-5723
営業 ランチ 12:00~13:30(予約営業)
ディナー 18:00~22:00
定休 月曜日(祝日・年末特別時間)
【推薦人】
カワノ株式会社 代表取締役社長
河野 忠友 さん