2017年
10月号
10月号
神戸のカクシボタン 第四十六回 その日の気分でお気に入りをチョイス
写真/文 岡 力
作家にはお気に入りの「おやつ」が付き物である。開高健は「みつ豆」、池波正太郎は「ホットケーキ」を仕事の合間に好んで食べた。大の右党(甘いもの好き)だった手塚治虫は、仕事中に「チョコがないと描けません」と駄々をこね原稿の隅が茶色く染まる事もあったと言う。よくよく考えるとおやつをはじめバレンタイン等、人と最も関わりが深いであろうお菓子「チョコレート」。神戸にも多くの人を夢中にするこだわりの逸品がある。
神戸市東灘区に本社を構える「マキィズ」は50年のノウハウを持つチョコレート販売メーカーである。「宝石のように美しく、アートのように自由で物語のように楽しい」をコンセプトに定番の「生チョコロール」から車や恐竜化石を模したユニークな商品まで多種多様に展開している。中でもおススメは、「maQショコラWARE」。「WARE」とあるとおり製造中に出た破片を商品化している。 見た目は不揃いだがベルギー産スィートチョコレートを使用しており味、香り、口どけはトップクラス。キャリアのあるショコラティエが五つの異なる種類を厳選し一袋に凝縮している。訳ありと称しているが、その日の気分によって味や大きさが選べるのでありがたい。しかし美味しさのあまり一度で食べ過ぎないよう注意が必要である。
■マキィズ本社
神戸市東灘区魚崎北町1-13-7
http://www.maquis.co.jp
■岡力(おか りき)コラムニスト
ふるさとが神戸市垂水区。著書「アホと呼ばれた’80S」「噂の内股シェフ」「関西トラウマ図鑑」連載「のぞき見 雑記帳」(大阪日日新聞)「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)