2017年
10月号
ボヘミアン(Boho)スタイルを融合させ、70年代のレトロリゾートをイメージした改装後の店内は、伝統と新しさが共存している

美容室エリザベス リニューアルオープン

カテゴリ:インテリア, お洒落・ファッション

神戸で70年、愛され続けるエリザベスの“品と格”

 住吉にヘアサロンを構える美容室エリザベスが、来年70周年を迎えるにあたり、9月1日にリニューアルオープン。「長年お付き合いのあるお客様が気持ちよく通い続けられて、新しいお客様も気軽にご来店頂けるサロンづくり」をテーマに、「今いちばん時代の波に乗っている方に声をかけ、デザインをして頂きました」と、店長の西谷香保里さん。
 先代の八木宇多子さんが急逝後、長男の八木隆幸さんが代表取締役に就任。東京・青山のヘアサロンで修業後に独立し、芸能界などにも多数顧客を持つほど人気のヘアメイクデザイナーである長女の香保里さんは、現在も月に一度は東京に行き、予約待ちのお客様を手がけている。
 そんな2人がサロンの内装デザインを任せたのは、インスタグラムで総フォロワー数8万人を誇る人気インテリアデザイナーズ集団『JURA FURNITURE』。デザイナーの古澤純さんはエリザベスをリニューアルするにあたって創業70年の品と格を重んじて、お客様の層が60代~80代の方が多いことや、元々あった思い出の家具や照明などを極力生かしつつ、ラグジュアリーなリゾート感を取り入れた、最新の「Boho」スタイルを展開。例えば、サロンのエントランスにあった印象的な形の椅子は、ある世代の方にはレトロで懐かしいと感じる、映画『エマニエル夫人』のラタンチェア。しかし若い世代から見ると逆に最先端で新しく感じるといい、記念撮影やSNS用のお写真を撮るお客様も多い。かつて庭だった場所には新たにテラスを造り、「私がお母様の施術中は、スタッフがテラスでお子様とシャボン玉なんかして遊んだり。お母様は他のお客様にも気を使わず、窓越しにお子様を見ながら安心して施術を受けていただけます」と、自身も1児のママである香保里さん。
 「私たちエリザベスは『弱酸性美容法』などの安全な商材をはじめ、常に“本物”にこだわってきました。以前、ファストファッションやファストフードが大流行していた時代は、ヘアサロンも中身よりとにかく安価なことが求められていました。けれども原点回帰といいますか、最近また、高価だけれど長く着られる服が選ばれるようになり、安心安全を求めてオーガニック食材を選ぶ方が増えてきました。サロンに来られる新しいお客様も、良い商材や本物を求めてご来店下さる方が増えました。今回の内装デザインもそんな私たちのお客様に対する想いを汲んで、形にして下さった古澤さんに心から感謝しています」。母の後を受け継いだ2人は当初は何もかもが不安で、今いるお客様のためにも、変化せず昔のままでいる事が誠意だと思っていた時期もあった。けれども「逆にお客様の方が、新しい事を求めてくださっていました。その時、変化する事を恐れてはいけないと確信しました。そもそも美容室にご来店下さる方は今よりも良い変化を求めていらっしゃるものですからね。私は東京と神戸を行き来していますが、両方のお客様に良い刺激を与えていけるよう今後も挑戦し続けます。エリザベスが70年続けてこれたのは本物を信じ、“品と格”を大切にしてきたからです。その“品と格”は全て、美しい人格と品のある弊社のお客様が作ってくださったものです」と香保里さん。彼女は以前より国内外2つの会社が創り上げた“革新”をモットーにしているという。「もとは馬具工房だったエルメス、そして花札のメーカーだった任天堂、時代が変わったときに、それぞれが以前の馬具や花札ではなく、カバンや財布、ゲーム機などを発売し、革新しながら大きくなってきたことは有名です。エリザベスも、伝統の上で革新を続けていきたいと考えています」。

店長の西谷香保里さん(前左)と、弟で代表取締役の八木隆幸さん、美容室エリザベスのスタッフの皆さん

ボヘミアン(Boho)スタイルを融合させ、70年代のレトロリゾートをイメージした改装後の店内は、伝統と新しさが共存している

Elizabethロゴ


美容室エリザベスのロゴマークも一新。東京在住の人気グラフィックデザイナー・渡辺明日香さんが手がけたロゴマークは、モチーフの花の中に「Elizabeth」の「E」という文字が隠れ、気品と繊細さを表現。時代に左右されない、長く使用できるロゴデザインを目指したとのこと。「どの世代にも受け入れられる要素が入ったロゴと感じております」と代表取締役の八木隆幸さん。
 
渡辺 明日香
(グラフィックデザイナー/イラストレーター)
東京在住。多摩美術大学造形表現学部卒。カラフルで幾何学的で独創的なグラフィックを制作。エリザベスの三代目・西谷香保里とは仲のいい仕事仲間として、今回の依頼を受ける。現在はエリザベスのリーフレットや70周年記念ロゴも作成中。最近では日本最大級の音楽フェス、FUJI ROCK FESTIVAL 2017のイラストデザインを担当し話題を呼んだ

こだわり抜いた店内のグリーンは全て本物の観葉植物。植物をふんだんに取り入れ、
森林浴に来たような気持ちにさせてくれる個室も完備

「JURAFURNITUREさんの海や緑を感じさせるデザインが神戸らしいと思って、
ぜひ内装をお願いしたいと思いました」と西谷香保里さん

リニューアルオープンのレセプションパーティーでは、人気の「PINT CATERING」のパーティーフードを用意

“インスタ映え”するパーティーフードはかわいいだけじゃなくて美味しく、ビーツなどを使った自然の着色でお子様でも食べられるよう素材にも気を使っている

「PINT CATERING」のスタッフの皆さんとともに

ヘア&フェイス エリザベス

神戸市東灘区住吉本町2-10-42
078-851-6388(予約優先制)
営業 9:00~18:00
定休日 月曜日・第3火曜日 駐車場 2台
JR神戸線、六甲ライナー「住吉」駅下車、徒歩約2分
http://www.kobe-elizabeth.co.jp/

月刊 神戸っ子は当サイト内またはAmazonでお求めいただけます。

  • 電気で駆けぬける、クーペ・スタイルのSUW|Kobe BMW
  • フランク・ロイド・ライトの建築思想を現代の住まいに|ORGANIC HOUSE
〈2017年10月号〉
《特集》神戸の食通が紹介する 神戸の粋な店 ー扉ー
comedor ESTELA(コメドール エステラ)|神戸の粋な店
TN|神戸の粋な店
La Tachi (ラ・ターチ)|神戸の粋な店
雄三郎|神戸の粋な店
日本料理 神戸たむら|神戸の粋な店
カトリック夙川教会と遠藤周作|夙川 Shukugawa
清麗な音色で夙川の人々の心を濯ぐ日本最古のカリヨン|夙川 Shukugawa
想い出すこと(遠藤 周作:作家)|神戸っ子アーカイブ Vol.6
新型「ヴェラール」がヴェールを脱ぐ !
かけがえのない生命(いのち)をジュエリーで表現 『ギメルの四季』Vol.2
連載 神戸秘話 ⑩ 安東聖空の流れを汲む神戸のかな書家たち
メルセデス・ベンツで旅するドイツ in KOBE Vol.3
夙川、松園町界隈の歩みについて|夙川 Shukugawa
連載 輝く女性⑧ 音楽を聴く楽しみ 音楽を奏でる喜び 音楽を通し自分自身と、そし…
音楽のあるまち♬ 神戸をクラシック音楽が溢れるまちに!
関西屈指の文教地区 六甲界隈について【下】
坂道のベルタワーから響く鐘の音は六甲の象徴 「カトリック六甲教会」|関西屈指の文…
なるほど医学体験! HANSHIN健康メッセ 2017
美容室エリザベス リニューアルオープン
神戸のカクシボタン 第四十六回 その日の気分でお気に入りをチョイス
ザ・クイーンズ・フィニッシングスクール 佐藤よし子の“特別なもの”との出会い ⑮…
第16回 神戸洋藝菓子ボックサン
Power of music(音楽の力) 第22回
空間の魅力が沸き立つ住まい|平尾工務店 オーガニックハウス
兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第七十七回
英国と神戸 Vol.4 日本における初の近代洋服「神戸洋服」というブランドとして…
今すぐ行きたい、東北飛行機旅 Vol.3 山形県
祝・「神戸―仙台線」就航!
神戸から行く ながさきの島旅|対馬・壱岐
神戸鉄人伝 第94回 オペラ衣裳デザイナー・株式会社アトリエミック代表取締役 松…
兵庫ゆかりの伝説浮世絵 第四十四回
連載エッセイ/喫茶店の書斎から ⑰  百歳の人
第68回 豊公を偲ぶ 有馬大茶会|有馬歳時記