2015年
8月号
ショウウィンドウの季節の婦人帽子がトアロードを華やかに彩る「マキシン」

トアロードを語る トアロードに店舗を持つ意義 「婦人帽子 マキシン」

カテゴリ:お洒落・ファッション

トアロードに思い入れがあった創業者

 昭和9年に、マキシンの創業者・渡邊利武は、横浜にある帽子会社ウルベの神戸支店長としてトアロードのお店を立ち上げました。北隣には、コスモポリタン製菓がありました。そして、ウルベが神戸から撤退した後、昭和15年に生田神社東門筋にマキシンを創業。神戸大空襲後の昭和22年に、生田新道に移転し、昭和29年に、現在の場所に店を構えました。
 横浜から初めて来た土地がトアロードであり、創業者は早く“メインロード”であるトアロードに戻りたかったそうです。また、トアロードは居留地につながる道でしょう。居留地に職場がある外国人たちが、北野の住まいに戻る道がトアロードであって、外国人たちの生活の中で必要とするものが手に入るのは、当時はトアロードしかなかったのです。馬車も通っていましたし英語の看板も多く、神戸の中でもっとも外国人を目にするのはトアロードでした。
 マキシンは戦後、進駐軍の将校などの夫人たちに帽子を販売し、販路を拡大してきましたので、外国人のお客様が多く、創業者はなおのことトアロードに思い入れがあったのでしょう。念願のトアロードに移転して以来、マキシンはこの場所に店舗を構え、上階の工房では技術者たちがハンドメイドで帽子を作っています。長年トアロードで製造から百貨店卸、小売まで行っているのは弊社だけかもしれませんね。
 阪神・淡路大震災で建物は大きな被害を受けましたが、直後の2月末に納品予定だった、全日空様の客室乗務員(当時のスチュワーデス)の約4千個の帽子を載せたトラックをトアロードから送り出しました。マキシンはトアロードで発展し、創業者の思いを次世代につなげていこうとしています。これは、トアロードでしかできなかったことかもしれません。

ショウウィンドウの季節の婦人帽子がトアロードを華やかに彩る「マキシン」


工房には帽子の「木型」が千個ほどあり、創業当時からのものも


お正月にマキシンの店舗前に勢揃いした社員
(昭和30年頃)


美しく、かぶり心地の良いマキシンの帽子


マキシンが手がけてきた制帽コレクション


トアロードでマキシンのショウウィンドウをのぞくカップル
(昭和29年頃)


渡邊 百合さん

株式会社マキシン
代表取締役社長

〈2015年8月号〉
神戸の粋な店 アルポルト神戸
特集 ー扉 神戸グローバルスタイル
外国人も 暮らしやすい街・神戸 フリッツ・E・レオンハートさん
オフィスも住まいも、 作り込まない〝ラフ〟な空間が 好きです 星加 ルリコさん
家族一緒に過ごせる時間と空間を大切にしています MEMEさん
人にも真珠にも、神戸の山と海、自然の光がとてもいい チョウドリー・ケタンさん
外国人が必要とするものが揃っている キラン・S・セティさん
その美、その壮、実に名状べからず かつて、東洋のウォール街とよばれた「栄町」
カミネ HUBLOT FAIR
特集 ー扉 KOBE Tor Road
トアロードとは 北野と居留地を結ぶ緑の坂道
トアロードを語る トアロードに店舗を持つ意義 「婦人帽子 マキシン」
トアロードとともに
Queen of Hoot(クイーン オブ フート)
自己研鑽し、親睦を深め、 友情のエネルギーを 社会に役立てよう!
淡路島でマツダブランドを「体歓」! 神戸マツダ ファンフェスタ 2015
国際ロータリー第2680地区 神戸西ロータリークラブ 心の「四季節」便り
連載コラム 「第二のプレイボール」Vol.6
ようこそ、 榎忠(エノキチュウ)の世界へ ー 扉
高野山開創1200年特別企画展 「いのちの交響 ~空海の地で会う日・韓現代美術~…
戦争するのは、人間だけ
高野山開創1200年特別企画展
「エノチュウ」の作品に思うこと
団地共同組合神戸木工センター 伝統ある「神戸洋家具」の技術を伝えたい
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第十八回 兵庫ゆかりの伝説浮世絵
触媒のうた 54
神戸のバーめぐり KOBE OLD & NEW vol.9
[神戸百店会NEWS]ミラノ万博「日本館」の制帽をマキシンが制作