8月号

神戸の粋な店 アルポルト神戸
神戸の「港」にて、巨匠のイタリアンに出会う
本場に比肩するといわれている、日本のイタリアン。そのパイオニア、片岡護氏のリストランテ、「アルポルト」がトアロードにオープンした。コンセプトから料理のニュアンスまで西麻布の本店そのままで、メニューも片岡氏のプロデュース。巨匠の味を神戸で味わえるようになったのは感慨深い。
料理の完成度の高さは流石だ。特に魚介は的確な調理でその滋味が引き立っている。もちろん、その時期その日の厳選素材。シェフのみならず支配人まで市場へ買い付けに行くという気合いの入りようだ。野菜も地場産を多く使用。「人参のムース、生ウニとコンソメゼリー」はぜひ賞味されたし。
パスタはイタリアンの基本。麺、ソース、具材の取り合わせで無限に広がる可能性を愉しむかのように、来るたびに多様なアレンジに邂逅することができる。食べた瞬間の「一体感」を重視し、味のみならず盛りつけも見事。皿の上にひとつの宇宙があるようだ。
味覚の抑揚を奏でながらよどみなく流れるコースは、品数も多くボリューム的にも満足。やっぱりイタリアンはこうでなければ!
丁寧なサービスも気持ちよい。ゆったりとしたテーブル席での食事はもちろん、カウンターでワインにアラカルトという楽しみ方も。
店名は「港にて」の意で、神戸に相応しい。ここから、美味を巡る感動のクルーズがはじまる

「神戸トアロード ホテル山楽」の地下1階に昨年12月にオープンした

ゆったりと広々とした店内。テーブル席28席、カウンター席6席、20名までが利用できる個室を備える

アルポルト神戸支配人の金子眞治さん(右)と料理長の小玉利徳さん

鮎のコンフィと万願寺とうがらしのスパゲッティ。身をほぐしながら食べれば、夏の香りが広がる。一皿のパスタの中に、さまざまな趣向が詰まっている

おまかせコース(8,400円)から。この日のメイン、サーロインのローストサマートリュフとエシャロットのソース。ビーフはA5ランク

前菜は甘鯛のカルパッチョ。
色とりどりの野菜と揚げた鱗を花のように散りばめ、デザイン的にも秀逸だ

【推薦人】
学校法人 育成学園 神戸国際調理製菓専門学校
理事長・校長
植木 砂織 さん

アルポルト神戸
神戸市中央区中山手通3-1-9
神戸トアロードホテル山楽B1F
TEL. 078-391-6771
営業日:ランチ11;30~15:00(14:00L.O)
ディナー18;30~23:00(21:00L.O)
バー~24:00(23:00L.O)
定休日:水曜休