8月号

美しきかな ひょうごの文化財|第二十回|優美な曲線を描く 春日造の屋根が三連並ぶ「西宮造り」|えびす宮総本社 西宮神社 本殿、東・西翼殿
西宮市の中心地に位置し、豊かな緑をたたえる「えびすの森」を背景に堂々とした存在感を呈する西宮神社「本殿」。1663(寛文3)年、江戸幕府四代将軍・徳川家綱により造営され国宝に指定されていたが、1945(昭和20)年、戦火で焼失。残された設計図を基に、1961(昭和36)年、檜皮葺から銅板葺への変更を除き元通りに復興されたのが現在の姿。新たに祭祀用社殿として建立された「東・西翼殿」と共に2025(令和7)年、国の登録有形文化財に登録された。
全国でも他に例を見ない「三連春日造」の本殿は「西宮造り」と呼ばれ、優美な曲線を描く屋根が三連並び左右対称に造られている。えびすさまのご神紋「三つ柏」と火災除けの意味合いを持つ「三つ巴」が配された屋根上の千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ)が金色に輝き、木々の深い緑と空の青に映える。庇下には左右に獅、中央に宝珠を持つ龍の装飾が施されている。格子戸奥には三つの御扉が並び、拝殿から向かって右側の第一殿に祀られているのが「えびす大神」。鎮座年は定かではないが、神戸和田岬沖から出現した訪問神(まろうどがみ)の御神像を西宮・鳴尾の漁師が救い上げ、この地にお祀りしたのが起源と伝えられている。中央の第二殿が「天照大御神」、左側の第三殿が「須佐之男大神」、えびす大神と合わせ三兄弟の神といわれる。第二殿には明治になり「大国主大神」が配祀された。
通常の参拝は拝殿から行われているが、正月と十日えびすには本殿前まで開放される。

戦火で焼失し再建された本殿と新たに建立された右翼殿・左翼殿。いずれも国の登録有形文化財
緩やかなカーブを描く春日造りの屋根が三連並ぶ。三つ柏と三つ巴が交互に配されている


庇下の装飾。中央に宝珠と龍

庇下の装飾。左右に獅子
えびす宮総本社 西宮神社
兵庫県西宮市社家町1‐17
TEL.0798-33-0321
開閉門時間 5:00~19:00(4月~8月)、5:00~18:00(10月~2月)、5:00~18:30(9月、3月)












