8月号
未来の自分に投資する、淡路島に生まれた “未病リトリート”という新しい別荘
心身ともに自立し、若々しく活動できる期間を少しでも長く保つために…。
人生後半の健康戦略地点となる長期滞在型リトリート施設
「ザ パソナ ネイチャーバース リトリート」がいよいよ本格始動する。
「未病」の考え方に注目
生活改善のための別荘
6月23日、淡路島西海岸にパソナグループによる長期滞在型リトリート施設「ザ パソナ ネイチャーバース リトリート」が開業した。観光やレジャーを目的とした〝宿泊施設〟ではなく、健康をテーマにしたオールインクルーシブの〝新しい別荘〟。「病気になる前の健康維持=未病」に着目し、長期滞在を通じた健康寿命の延伸をめざす。
館内には、未病ファシリテーター協会が運営する「ウェルネスクリニック」を併設。同クリニックおよび神戸大学医学部附属病院と連携した医療サポート体制を整え、長期滞在でも安心して過ごせる環境を用意している。滞在中は、宿泊者の身体の状態を可視化し、食や運動、睡眠などのプログラムを通じて生活習慣の改善をサポートする。
健康施設と聞くと、白く無機質な建物を思い浮かべがちだが、ここはそのイメージとは対照的。自然豊かな淡路島の魅力を全身で感じられるリゾート感あふれる建築が印象的だ。万博の大屋根リングに似ている!とSNSなどで話題になった建物は、建築界の最高峰とされる「プリツカー賞」を受賞した建築家、坂茂(ばん しげる)氏が手がけた。エントランスの木造大階段を上がると、自然光が降り注ぐ吹き抜けアトリウム空間が広がる。視界いっぱいに海と空が開け、一瞬にして日常からエスケープ、淡路島の自然に包まれるような感覚を愉しめる。館内には、時間の移ろいを感じられる仕掛けも随所にちりばめられている。色と輝きが変化するシャンデリア、海から空へと昇るグラデーションを表現した和紙の壁紙、輪島塗りを施した紙管など、自然とともに過ごす感覚を室内に取り込む工夫が満載だ。
海へと続くボードウォークに出れば、目の前には海と空、頬をなでる潮風が心地いい。水平線から昇る朝日を正面に望む希少なロケーションで、朝の光と海のエネルギーを全身で受け止めることができる。ここで過ごす時間そのものが、すでに〝整う体験〟になっている。
眠りや運動、入浴で
生活リズムを整える
57部屋の全客室に天然温泉を完備。なかでも「プレジデンシャルスイート」は、200㎡を超える広さで、寝室には、大阪・関西万博のパビリオンで展示された「未来の眠り」の技術の一部を応用したセンサーベッドを導入。体勢を自動で調整しながら、快適な寝心地へと導いてくれる。室内の天然温泉は、身体を芯から温め、湯上がり後も心地よいぬくもりが続く塩化物泉。刻一刻と姿を変える海の絶景を眺めながら湯に身を委ねれば、身体の疲れはもちろん、心のこわばりまでほどけていくようだ(客室によりベッドや浴室の仕様は異なる)。
滞在中は、専属のウェルネスコンシェルジュが寄り添い、運動や休息のリズムづくりをサポート。普段の生活習慣などをヒアリングしたうえで、タラソテラピー、ジム、ヨガ、瞑想など、最適なプログラムを提案。この施設では単なる〝リフレッシュ〟ではなく、日々の生活リズムを見直し、整え直すための時間を満喫できる。
一流料理人が監修
五つの美食体験
館内に揃う5つのレストランも、ここの価値を語るうえで欠かせない存在だ。ミシュランで星を獲得した名店の料理人たちが監修し、「健康」と「美味しさ」を両立させたウェルネスな美食体験を提案する。
2階の「淡路東迎」を監修するのは、なにわ割烹の名店「淺井東迎」店主・東迎高清氏。ミシュラン獲得店『㐂川 淺井』で培った大阪料理の技に、東迎氏の故郷である〝長寿の島〟沖縄のエッセンスを織り交ぜた割烹コースを展開する。同じく2階の「淡路美月」を監修するのは、京都の三つ星料亭「美山荘」4代目当主・中東久人氏だ。淡路島産の魚介と力強い大地の恵みである野菜や山野草を組み合わせた〝現代の摘草料理〟は、自然のエネルギーをいただくような滋味深い味わいが魅力。また東京の精進料理の名店「醍醐」で2つ星を獲得し、その後「shojin 宗胡」を開業した野村大輔氏プロデュースの「淡路宗胡」も2階に店を構える。伝統的な精進料理の思想を大切にしながら、現代的なアレンジや洋の技法を取り入れた〝ウェルネス・懐石〟で、動物性食材を使わずとも、心身ともに満たされる食体験をかなえてくれる。3階にある「Terre」は、パリ5区の一つ星レストラン「Restaurant Sola」を率いる鍋多光介氏が監修。燻製や発酵など和の技法をフレンチのエスプリと掛け合わせた〝ウェルネス・ガストロノミー〟を核に、身体の内側から整えていくコースが楽しめる。
さらに近海の地魚を中心に、その魚に最もふさわしい切り方や握り方を見極め、一貫ごとの個性を引き出す「鮨美波」ほか、バーやカフェもスタンバイ。
食事は、長期滞在の中で最も日常的で、最も身体に影響を与える行為。だからこそ、〝食べること〟を単なる楽しみではなく、心身を整えるための大切なプロセスとして位置づける。〝未来の自分のために、何を身体に取り入れるか〟を考えるきっかけづくりへ。それこそが、このリトリートの食が持つ最大の価値なのだ。
未来の健康へ
投資するという選択
開業に先駆けて行われた6月17日の内覧会では、㈱パソナグループ代表取締役会長 最高経営責任者・若本博隆氏が「淡路島をウェルビーイング・アイランドにするのが目標。ここがその象徴的存在となることをめざし、淡路島のブランド価値向上に貢献していきたい」と挨拶。大阪・関西万博で「ウェルビーイング」をテーマにしたパビリオンを出展し、2026年2月に創業50周年を迎えた同グループ。その長期ビジョン「NATURE VERSE(ネイチャー バース)(人・自然・テクノロジーの共生による真に豊かな社会)」の実現を加速させる拠点としても位置づけられている。
利用は1ヶ月・1年・2年・3年をベースにしたプランがあり、すでに健康に関心を持つ高付加価値志向の経営者や医師などの富裕層から問い合わせが相次いでいるそう。料金は1人あたり通常期で30泊1室590万円(冬期など閑散期は月410万円)から。決して安いとは言えないが、ここでの時間は〝今この瞬間の贅沢〟にとどまらず、未来の自分のための土台をつくる。そう考えると、この金額は〝健康への投資〟とも言えるだろう。
いきなり長期滞在はハードルが高いという人には、3泊4日のプログラム(1室2人利用で1人あたり52万8千円〜)の「お試しプラン」も用意されている。また健康経営への関心が高まるなか、企業の福利厚生向け回数券もあり、優秀な人材の確保や、社員のウェルビーイング向上のために、企業として導入を検討するケースも増えそうだ。
神戸市内からは、車で約30分というアクセスの良さも心強い。滞在で得られた変化を振り返りながら、自宅でも無理なく続けられる養生習慣のアドバイスも行ってくれる。ここでの体験を一過性のものにせず、日常の中で自然に育んでいけるよう伴走してくれる存在でもあるのだ。
病気になる前に整える。人生後半の〝健康投資〟を、そろそろ本気で考え始めるタイミングなのかもしれない。


海側に広がるボードウォーク

眼前に海と空が広がるロビー

全長45mものシャンデリア

東には海、西には緑。異なる景色と空気感を愉しめる客室。天然温泉で足を伸ばし、ゆったりと疲れを癒すことができる

施設最大の「プレジデンシャルスイート」。寝室にはセンサーベッドを完備し、スマホ連動で睡眠・体調データを自動管理

館内の「ウェルネスクリニック」。採血や唾液などの各種検査にも対応し、滞在中の体調をサポート。海を眺めながらの点滴ケアや和漢茶で、心身をゆるめる時間も用意されている

海水を活用したタラソテラピー。水の浮力が関節への負担をやわらげる

海辺のボードウォークでは潮風と自然光に包まれながら行うヨガや禅を

パーソナルフィットネスジム

運動後はジム併設のカフェ「Café Earth」でプロテインを補給










㈱パソナグループ代表取締役会長 最高経営責任者・若本博隆氏

レセプション。本棚には能登復興支援への想いも込めた、坂茂氏の建築でも象徴的に使用される紙管に輪島塗が施されている

ユニフォームはコシノジュンコ氏がデザイン

「成長」「健康」の願いを込め、麻の葉のモチーフがあちこちに

大阪・関西万博のパビリオンで展示していたアンモライトが飾られる

屋外には水上アートステージを設置。ダンスとプロジェクションマッピングによるショーが開催される

海を望むバー&ラウンジ「Massan’s Bar & Lounge」は、“日本のウイスキーの父”竹鶴政孝氏の孫、竹鶴孝太郎氏が監修

施設内にはアートガラスが美しい音楽ホールを完備。生演奏で滞在時間を豊かに彩る

ヴィーガンスイーツを楽しめる「Café Marble」
THE PASONA
natureverse retreat
ザ パソナ
ネイチャーバース リトリート
淡路市岩屋2942-39












