9月号

ゲンダイトウゲイ*ミニ*クロニクルやきものはアートだ!|知と美 Vol.9
ふだんの生活の中に当たり前のようにある「うつわ」に代表される「やきもの」は、土を焼き固めるという意味では長い歴史を持ちます。ところが、現代アートと同じような自由なかたちで多種多様に表現された「現代陶芸(ゲンダイトウゲイ)」が生まれてからの歴史は浅く、同展では戦後から現代まで各時代を代表する作家の作品を同館コレクションの中から抽出し、「クロニクル=年代記」で紹介します。
まず焦点を当てるのは、現代陶芸のパイオニアの一人、林康夫。前衛的な陶芸製作を目指して1947年、京都で結成された「四耕会」に19歳で創設メンバーとして参加して芸術への希求を抱き、やきものに挑み続け、98歳になった現在も現役を貫いています。1940年代の初期作から2025年製作の最新作まで、ユニークで力強い作品約40点を展示。林康夫の作品を見て歴史を振り返ることは、現代陶芸の歴史を知ることと言っても過言ではないでしょう。
続いて、1950年代半ばから陶彫に取り組む彫刻家の辻晉堂、「走泥社」の創設メンバーの八木一夫など、現代陶芸の黎明期を盛り立てた作家たちの作品へと進みます。さらに現代アートの一領域として陶芸が注目を集めた1980年代から90年代に活躍した作家たちの大型化・インスタレーション化した作品や、2000年以降、拡張し続ける陶芸表現の革新を担った新世代の作家たちのユニークな作品など、見どころも多種多様です。
展示を見進めると、それぞれの時代の潮流や熱気が伝わり、「クロニクル」のもう一つの意味「壮大な物語」が見えてきます。陶芸表現の広がりとダイナミズムを体感して、「やきものはアートだ!」と納得できそうな展覧会です。

三島喜美代 《Paper Bagシリーズ》 1973-80年

西田潤 《絶 No.10-a》 2001年

林康夫 《See through 90-2》 1990年
特別展 ゲンダイトウゲイ*ミニ*クロニクル やきものはアートだ!
9月19日(土)~11月23日(月・祝)
兵庫陶芸美術館 The Museum of Ceramic Art, Hyogo
■兵庫県丹波市今田町上立杭4
兵庫陶芸美術館展示棟 展示室1、2、4、5
■TEL.079-597-3961
■休館日 9月21日・10月12日・11月23日(いずれも月曜日・祝日)は開館、
9月24日(木)、10月13日(火)は休館
■開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
■観覧料 一般1,300円、大学生1,000円、高校生以下無料












