2018年
2月号
2月号
有馬歳時記|灰吹屋西田筆店が再建!
有馬の名産“有馬人形筆”の唯一のお店
色鮮やかな絹糸をまとった竹筆を手にすると、最上部から愛らしい人形が、ひょっこりと顔を出す。有馬籠と並び、有馬の名産品として知られる有馬人形筆。人形筆は、室町時代末期に起源がある有馬の伝統工芸であるが、現在では、灰吹屋西田筆店が有馬温泉に残る唯一のお店となっている。
そんな中、西田筆店を突然の悲劇が襲う。2016年11月、近隣の住宅から出火、周辺は木造家屋が多く、火の回りも早かったこともあり、西田筆店は全焼してしまう。7代目にあたる西田健一郎、明子さんご夫婦も命からがら難を逃れたものの、人形筆づくりに必要な工具や絹糸をすべて失った。
しかし、有馬温泉観光協会が中心となり、焼失した跡地に日本家屋風の工房を再建、1月12日、この一角で西田筆店が再オープンした。西田さんは、「全焼した店舗から、店の看板と長年店を支えた母の光子さんの写真が出てきた。店を続けろと言われている気がしました。そのことも、再建の理由のひとつになりました」。
西田筆店が店舗を構えるのは、有馬温泉でもとくに観光客で賑わう湯本坂。有馬になくてはならないお店の再建を多くの人々が祝福した。
灰吹屋西田筆店
兵庫県神戸市北区有馬町1160